今年も、サウジアラビアの首都リヤド郊外にあるキングアブドゥルアジーズ競馬場を舞台に繰り広げられる、サウジカップデーに多くの日本馬が参戦。3つのG3、2つのG2、そして、G1サウジカップで、日本馬のレベルの高さを証明してくれました。
スタートは、2月24日土曜の23時(日本時間)にゲートが開いたG3サウジダービーです。坂井瑠星騎手が手綱を取った矢作厩舎のフォーエバーヤングが優勝。
続くG3リヤドダートスプリントを、川田将雅騎手騎乗、新谷功一厩舎のリメイクが制し、もしかしたら6つのレースを完全制覇するかも!? と、思った人がいるかもしれません。
結果は、G2ターフスプリントとネオムターフカップ、G1サウジカップが2着。G3レッドシーターフHCが5着。競馬の面白さや難しさ、すべてが詰まった一日でした。
日本に残り、いい刺激をもらった僕も負けてはいられません。24日阪神5Rの3歳未勝利戦では、キタサンブラックの半弟、清水久嗣厩舎のシュガークンに騎乗。好位から早めに抜け出し、そのまま先頭でゴール。もう一段、ギアを上げたときに、どんな競馬を見せてくれるか、楽しみしかありません。
そして、もう1頭。7Rの4歳1勝クラスに登場したスイープアワーズには、いい意味で驚かされました。JRAには4頭しかいないディープインパクトのラストクロップの1頭で、母は名牝スイープトウショウ。2021年のセレクトセールでは、2億超えの金額で取引された超良血馬です。気難しいところがあり、ここまで思うような結果を残せていませんでしたが、この日は馬が違いました。掛かるところなく、道中の手応えも良ければ、4角の反応も抜群で、1頭だけクラスが違うんじゃないかと思うほどの走りっぷりです。
反対に気性の難しさが出てしまったのが、初コンビで臨んだアイコンテーラーの仁川ステークスでした。砂を被らない競馬はできましたが、3角あたりから突っ張ってしまい、自らブレーキをかけているような走りになってしまいました。
京都牝馬ステークスを勝ったソーダズリングの半妹ソーヴァリアントとともに挑んだ中山記念も、期待通りの競馬とはならず、最後の直線でバッタリと脚が止まってしまい12着……。日本で騎乗した僕もまた、競馬の面白さと難しさを味わった2日間になりました。
今週末、3月9、10日は、両日ともに阪神競馬に参戦。9日は、キズナ産駒のルージュルリアンの新馬戦、ハヤテノフクスケと挑む3歳1勝クラスの、ゆきやなぎ賞に騎乗。
翌10日は、3歳1勝クラスの2つ。前走、未勝利を勝ち上がったゴールドサーベル、ベルウェザーで挑みます。
花粉症を吹き飛ばすくらいの競馬をお見せしますので、ぜひ、競馬場に足を運んでください。
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