「ほかの飛行機の影に隠れる形でレーダーの探知を逃れたという"珍説"まで飛び出すほど、謎が謎を呼んでいます」(航空評論家)

3月8日に消息を絶ったマレーシア航空370便。
マレーシア政府は「インド洋に墜落した」と発表したが、ここにきて、新たな話が出てきた。

「乗客227人の内、約3分の2が中国国籍なのですが、その中に2人、華為技術社のエンジニアの名があったんです」(全国紙記者)

華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)はスウェーデンのエリクソンに次ぐ世界2位の通信機器メーカーで、各国に支社を持ち、総従業員数は約15万人。

370便が離陸したクアラルンプールにもマレーシアでの拠点を設けている。

「創業者の任正非(にんせいひ)は人民解放軍出身。ただ除隊後10年間の経歴は一切不明です。会社は一貫して関係を否定していますが、中国人民解放軍関連の仕事が多く、欧米からは"技術スパイ企業"と疑われていますね」(軍事ジャーナリスト)

現に、アメリカやオーストラリア、台湾では、華為技術の製品を政府が購入することを制限しているうえ、議会やシンクタンクでは同社の批判が渦巻いている。

「システム全体でなくても、中枢部に華為技術の機器を使った場合、そこに不正プログラムが仕掛けられていたら、情報が流出する危険があるんです」(前同)

世界中から"スパイ企業"と目される華為技術に対するアメリカの"秘密"も明らかになった。

3月23日付のニューヨーク・タイムズが、米国家安全保障局(NSA)が華為技術の本社サーバーに侵入していたと報じたのだ。

「米中央情報局(CIA)元職員のスノーデン氏から入手した機密文書を基にした報道です。NSAは、2007年ごろから、同社と中国人民解放軍との関係を探るため、同社製品を購入した国のコンピューターや通信網への侵入・監視も行っていたようです」(前同)

翌24日、中国の習近平国家主席は、オランダ・ハーグでのオバマ米大統領との会談で、さっそくこの問題を取り上げた。

これに対し、米国務省の副報道官は「米企業を経済的に利するために情報収集することはない」と述べ、あくまで安全保障上の目的だったと弁解。

米中首脳の間でキナ臭い舌戦が繰り広げられた。

突如として消えた航空機と、それに搭乗していた中国"スパイ企業"のエンジニア。
謎は深まるばかりだ。

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