国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長の怒りが治まらない。

ブラジルW杯開催まで1か月強と迫りながら、肝心のスタジアムが完成しないため、「準備が遅すぎる!このままでは開催できない」とブチまけているのだ。

W杯では通常、12のスタジアムが会場となり、今回も12か所を開催地に選定。
新築のほか、大規模な改築が行われていた。

「現時点で完成した会場は7つだけ。残りの5つもW杯までに間に合うのか、不透明な状況なんです。16日間で64試合をこなし、各国代表の練習場所や1試合あたり4万~8万人の観客の宿泊場所などの受け入れ態勢を考えれば、7都市で行うのは非常に困難です」(サッカー誌記者)

FIFAが"スタジアム問題"同様に、「非常事態」とするのが受け入れ態勢。
空港の整備が遅れ、「一部ではターミナルの代わりに仮設テントが使われる予定」(前出・サッカー誌記者)だという。

ブラジル政府は、こうした準備を「昨年12月までに完了させる」と約束していたのだが、どうしてこんなにも遅れたのか。

「大きな理由は、ブラジル政府が資金を工面できないにもかかわらず、その開催にかかる費用が、W杯史上過去最高の2兆円に迫る勢いだからです。そのため、建築労働者への給料未払いが慢性化しているほか、安全対策の不徹底による事故でこれまで7人が死亡。労働者の不満がストライキという形で爆発し、そのたびに工期が延びているんです」(現地記者)

国民の不満は募る一方で、昨年6月に開催されたW杯のリハーサル的意味合いを持つコンフェデ杯では、100万人以上が抗議デモを行った。

さらに今年1月には、"W杯をぶっ潰せ"を合言葉に、13都市で1万人が参加する暴動が発生し、150人が逮捕される事態に発展してしまった。

「W杯を開催できるだけの体力がないにもかかわらず、招致を強引に進めたのは政府。ほかに立候補した国は、財政面がネックとなって落選する中、"我が国は問題ない"と豪語して招致した経緯があるんです。その上、政府は"W杯では1万人の機動隊や警察を動員して暴動を止める"と宣言。国民からさらなる反発を買っています」(前同)

はたして、W杯は無事に開催できるのだろうか。

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