これが本当の神(紙)技!? 紙だけでバイクを作った動画が話題に!の画像
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某動画投稿サイトにて5月5日に公開され、10日間で19万回近い再生数を獲得した動画があります。動画のジャンルを考えると、驚異的な再生数です。それが、『大人のガチ工作 「あらゆる紙を駆使してバイク作ってみた。」』です。
 

 


 イギリスの伝統あるバイクメーカー、ノートンのコマンド961を1/10サイズで製作した過程を動画にしたものですが、これがなんと全て「紙」! 動画を一度みただけでは、にわかに信じられません。
 まずフレーム、エンジン、フロントフォークやブレーキ、リヤサスペンションなど、実車と同じパーツ分けになっているのに驚きます。細部に目を移せば、タイヤやスポーク、膝部分が大きくエグれた独特のタンクデザイン、さらにはチェーンのコマ一個一個まで(!)紙で完全再現。ホイールにセットされた歯車にはチェーンがかみ合い、後輪の動きに従いチェーンもきちんと駆動するという凄まじい精密さ…。金属でもそんな加工するの大変なのに、もう神技(紙技?)って感じですね。しかも実車と違わぬ車体比率を保っているあたり、これは本格造形を学んだ人でもなかなかできないことですよ。いったいどんな人が作っているんでしょうか。確実に美術系の学校を出て、立体造形デザインの会社で働いている方でしょう。でなきゃこんなこと、できませんよね。というわけで、早速制作者の鳴瀧 拓也さん(21)にインタビューしてみました。
 それでは鳴瀧さん、まずはどこのデザイン会社にお勤めなんでしょうか。
「えっと、すみません。デザイン系の会社でもなんでもない、フツーの会社にいます」
あれ? では…どこの美術学校を卒業なさったのでしょうか?
「いえ。デザインとは全然関係ない専門学校に2年いったきりで、これ全部独学なんですよ(笑)」
な、なんですと!?
「4歳のくらいのときに、戦隊もののヒーローロボットを画用紙で自作したのが始まりで、それから誰にも師事せず製作を続けています」
 なんと…製作物すべての技術が独学という恐ろしさ。正確すぎる三面図やパーツの模写も、「写生が好きだったので…」という理由で出来ちゃってるんだそうです。それにしても、いったいどうやって円形のタイヤやタンクの精緻な造形を造り出しているのでしょう。スケッチから型紙みたいなのを作って、ペーパークラフトみたいにして切り出して作っているのでしょうか。
「自分が描いたスケッチを見ながら、骨組みを作って、その上に画用紙を張っていってるだけで、特に型紙みたいなのはありません。だから、次に同じものを作ったら、微妙に違うものができますね」
 つまり、彫刻や絵画のような、一点ものということなんですねぇ。ちなみに、今回の作品で一番苦労した場所を聞くと、具体的な場所ではなく、「図面から起こし始める瞬間の精神的なキツさ」だと言います。
「本当にできるかな? という迷いがふっきれるまでがキツいんですね。それがふっきれたら、もう何でも作れるんですよ」
 あれ、この人、もしかしたらいわゆる「天才」っていう部類の人なのでは…? ちょっと凡人とは違う「苦労」です(笑)。精神的なノリが良ければ一週間で作品ができるし、同じような工程でも2ヶ月掛かってしまうこともあるんだとか。
「製作に関していえば、もう自分のためにってのはいいかな、と(笑)。ノートンも、お世話になった人の喜ぶ顔が見たくて作りました」
 とのこと。今後も内緒ながら、複数の製作依頼が入っているといいます。しかし、これらの依頼を受けたのは、お世話になった人が喜んでくれるから。いやはや、若いのに感心ですねえ。作品完成の暁には、ぜひ工程動画を公開して、また僕らを驚愕させてくださいね!

 

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