モスクワから2000kmほど北にあるムルマンスクのサーカス団に所属する一匹のワニ。5月20日、このワニ(名前はフェージャ)に悲劇が起こった。

移動中のバスでの出来事だ。急ハンドルが切られた刹那、シートベルトをしていなかった経理の女性が、フェージャの上に倒れ落ちた。問題なのは彼女の体重。120kgもあったというから、体長2mのワニといえどもこれではたまらない。

そんな巨体にボディプレスされたフェージャは、3時間以上吐き続け、生命の危機さえ心配された。

「恐いのは強烈な圧迫や捻れにより、胃腸・臓器が損傷した場合です。3時間吐いていたということで全くの無傷とは断言できませんが、どうやら大事には至っていないようですね。人間でも、異物を詰まらせたときなどの対処法でハイムリック法というのがあるように、腹部を圧迫すると吐き出す構造になっています。とはいえ、経過を見守る必要があるでしょう」(医療ジャーナリスト)

フェージャはその後、回復してロシアのテレビにも出演した模様。とりあえず、ひと安心といったところである。これからも、サーカス団のマスコット・ワニとして活躍を祈りたい。

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