ブラジルW杯で日本とグループリーグで対戦したコートジボワール。もしかすると、同国はそれどころではなかったのかもしれない。世界中がサッカーで盛り上がっている最中、コートジボワール周辺のギニア、シエラレオネ、リベリアで恐怖の殺人ウイルス「エボラウイルス」が猛威をふるっているのだ。世界保健機関(WHO)は7月1日、3月以降に759名が感染し、467人が死亡したと発表した。

 1976年、ザイール(現コンゴ共和国)のエボラ川流域の村で発症例が確認されたため、「エボラウイルス」と名付けられた。潜伏期間は諸説あり、2~21日間ほど。初期症状は発熱、悪寒、筋肉痛、嘔吐、下痢、腹痛と一見、風邪かインフルエンザのようだが、進行すると血液が凝固しにくくなり、体中から出血して最悪の場合は死に至る。

「致死率50-90%と、世界最強級のウイルスといっても過言ではでしょう。エボラ熱は感染力が非常に強いですね。数個のウイルスが体内に入っただけで感染します」(医療ジャーナリスト)

 ワールドカップの戦友・コートジボワールは大丈夫だろうか。同国を含めてアフリカ諸国は、日本でも魅せられている人が少なくない。ただ、医療対策が整っていない施設も多く、医療機器の使いまわしによる血液感染や、飛沫感染、性交渉による感染の可能性もある。旅行の際には、周到に注意を払った方が良さそうだ。

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