日本列島を異常気象が襲っている。

6月4日、宮崎県延岡市で24時間降水量が413・5㎜と、観測史上最大を記録。続く5日には、高知県四万十町で、24時間降水量が509㎜を記録した。

「これは観測史上最高で、例年の6月分の降水量を、わずか1日で超える猛烈な雨でした」(全国紙記者)

また東京都心でも、6月13日に竜巻が発生、雹(ひょう)が降り注いだ。

いったいなぜ、このような事態が起きたのか?

異常気象に詳しい科学ジャーナリストの大宮信光氏が解説する。
「フィリピン近海の温かい海水の影響で、日本の東海上の高気圧が強く発達。日本列島上空の低気圧や前線が行く手を阻まれ、湿った空気が関東地方に集約された結果、記録的な大雨となったのでしょう」

だが、これはまだ序章に過ぎないという。この夏、今回の大雨を超える超異常気象が起きるのではないかと言われているのだ。

気象庁は今夏、5年ぶりに"エルニーニョ現象"発生の可能性が高いと発表している。

エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道域の日付変更線付近から、ペルー沿岸にかけて平年より海水温が高くなることで、その結果、世界中で異常気象が引き起こされるという。5年前の09年には、7月に中国、九州地方を中心に観測史上最大の降水量を記録。

各地で、土砂崩れなどを引き起こし、31人の死者を出すという甚大な被害が起きた。また、9月には最大風速55mの超大型台風が日本列島を縦断。負傷者135人の大きな被害を出した。

今夏も、同様の惨事が起きるということか。「私が気になるのは、気象庁が今年のエルニーニョの影響で、北日本は冷夏になる一方で、首都圏より西は猛暑という"北冷西暑"の変則型になる予測を出したことです」(前出・大宮氏)

実は大惨事になった09年も、この型だったという。

「この型は、単に多雨、冷夏をもたらすだけでなく、発生した台風が梅雨前線と重なることで大型台風を発生させる傾向が強い。そのため、今年は大型台風の発生は免れないでしょうね」(気象ジャーナリスト)

この夏は、例年以上に注意が必要なようだ。

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