世界的な「スシ・ブーム」に引っ張られる形で、世界各国で日本食人気に大きく火が付きつつある。

そして、そうした日本食人気に連動する形で、海外で日本酒に注目が集まってきているのだ。去年、日本酒の輸出額は初めて100億円の大台を突破するなど、年々大きく増加傾向にあるようだ。

そうした海外での日本酒人気を、筆者も直接目にしたことがある。

場所は、アメリカ・ニューヨーク、マンハッタンの日本食レストラン。スシを注文した金髪、ブルーアイのニューヨーカーが食前酒として飲んでいたのが、「サケ・マティーニ」なるカクテルだった。残念ながら筆者は、いまだ、このカクテルを飲んだことはないが、どうやら見たところジンの代わりに日本酒をベースにしたマティーニのようだ。

こうした状況から考えても、米国においては、日本酒はしっかりと根付きつつあると見ていいだろう。

なぜ、外国人が日本酒に注目するようになったのかというと、まず日本酒に対して、ヘルシーなイメージがあるからだ。あるアメリカ人に言わせると、
「サケは、アルコール度数も低く、コメから作られているため、極めてヘルシーな飲料だ」
とのこと。

鮨や日本食に対して外国人が持つヘルシーなイメージが、日本酒に対してもオーバーラップしていることは間違いない。

つまり、日本酒にとっての最大のセールスポイントは、そうした「ヘルシーさ」なのだ。

加えて、外国人はあまり意識していないかもしれないが、鮨や日本食に味覚的に最も合うアルコール飲料は、やはり何といっても日本酒なのである。フランス料理やイタリア料理にはワインが最も合うように、サシミやテンプラにはやはり日本酒だ。

今後、外国人の家庭に、多少のアレンジはあるにせよ、日本食が取り入れられていったならば、日本酒の輸出額も右肩上がりになっていくだろう。

どうやら日本酒マーケットは、拡大していきそうな気配が濃厚だ。


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