プロ野球のペナントレースが終盤になってきた。ということは、そろそろアレの到来でもある。「ストーブリーグ」というやつ。ストーブが必要となる季節、つまりプロ野球のオフシーズンのことで、来年の監督人事やドラフト&FAでの注目選手の去就が毎日記事になる。私などはストーブリーグこそスポーツ紙を熱心に読んでしまう。

というのは、野次馬精神がもっとも刺激される季節だからだ。かつてのプロレス誌(紙)を読むのと同じワクワク感がある。「まだ発表されてない“ミスターX“って誰だ?」という正体探しの楽しみ。昔ジャイアント馬場のパートナーが「ミステリアスパートナー」と告知され、いったい誰かとファンは盛り上がった。マスコミで発表された「影絵」は明らかに外人なのだが発表されたらラッシャー木村だったことがある。この落差も味わい。想像との答え合わせ。

今週ストーブリーグで盛り上がりを見せ始めたのは「阪神次期監督」ネタだ。和田監督続投が発表されたとたんズルズルと負けだし、ついには「続投白紙」となった。この時期鉄板のやつ。

で、東スポは11日の記事で「阪神・金本監督浮上」と書いた。「阪神を変えた男」としてOB、財界、選手からも待望論が出ているという内容。

一方、日刊ゲンダイは10日に「囁かれはじめた岡田彰布氏“再登板” 」をぶち上げた。辛口だが実績のある岡田しかいないのでは?という関係者のコメントを紹介している。

日刊スポーツも12日に「次期候補として、元監督の岡田彰布氏(56)や金本知憲氏(46)、矢野燿大氏(45)ら有力OBの名前が浮上。和田監督の続投も選択肢に入れ、慎重に選定作業を進めていく方向だ。」と伝えた。

ファンにとってもあーでもないこーでもないと話せる格好のネタだ。


監督人事の報道を楽しむうえでひとつ重要なのが「最初に出た名前は消えてゆく」パターンだ。もし阪神の監督が本当に代わるのなら、まだ名前が大々的に出てない「掛布」とかも怪しい。いわゆる観測気球を阪神球団があげているのだ。

「観測気球」がもっとも巧みなのは星野仙一だと言われている。親しい記者に記事を書かせ、世の反応をうかがうという手法。阪神監督時代も、巨人の監督になりかけた時も、星野の情報戦の強さが目立った。

そういう意味で注目なのが「星野監督、今季限りで辞任へ 体調不安」というデイリースポーツの記事(9月8日)だ。

これがほんとならスクープだが、一方で「星野が世論の反応を見ている」と書く他のマスコミもあった。あくまで私の推測だが、この記事を出したのが阪神情報に強いデイリーというのが興味深い。星野は阪神の監督、GMをやったからまだ仲の良い記者はいるはずだ。この情報を流し、本当に世論の反応を見ているのかもしれない。

少なくとも石破茂よりは情報戦が強そうな星野仙一。監督退任したら政治家転向がいちばん合ってると私は思っています。

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