ここまでクライマックスシリーズ出場圏内(3位)を常時キープし、セ・リーグの台風の目となっている広島。

地元広島でヤクルトを3タテし、9月2日からリーグ2位として首位・巨人との3連戦に臨んだ。

「2日時点で首位巨人との差は1ゲーム。広島ナインも"6月8日以来の首位奪還を!"と士気が高まっていたんですが……」(スポーツ紙広島担当記者)

野村祐輔、前田健太、福井優也と主力ピッチャー3人をぶつけたが、結局、3連敗してしまった。

「力負けというより、自滅に近い負け方。攻撃で何度もチャンスがありながら、一本が出なかったことと、大事なところで守備のミスが出たのが敗因です。2日は追い上げた終盤7回に堂林翔太とピッチャーの今井啓介が守備でミスして失点。3日もマエケンと内野の連携ミスで2点を取られたあと、長野のツーランで点を取られた。4日は9安打するも1点もあげることができなかった。痛い3連敗です」(前同)

結局、9月4日現在、両チームのゲーム差は4。だが、球界関係者によれば「あのメンバーで、よく首位争いをしている」(野球解説者)との声が多いという。

「巨人の年俸総額(2014年度)は約45億円ですが、広島は12球団最低の20億円程度と半分以下です。2億8000万円のマエケンが唯一の高給取りで、日本人の第2位はベテラン捕手・石原慶幸の1億円。フル回転の中継ぎ陣は中田廉が1400万円、中﨑雄太にいたっては900万円。主砲のエルドレッドですら、5100万円です。巨人は阿部慎之助が6億円、杉内俊哉が5億円。ジャイアントキリングを狙う広島は、大企業に町工場が戦いを挑むようなものですよ」(前同)

だが、ペナント終盤にきて、売り出し中の捕手、會澤翼と先発ローテの一角を担うバリントンがケガで戦線離脱。チーム力低下は避けられない状況だ。

"町工場チーム"は、圧倒的な資金力を持つ王者・巨人にひれ伏すしかないのか。

「いえ、光明があるんですよ。外国人枠の関係で二軍にいたドミニカ人のロサリオが夏以降一軍に定着。3割超えで打ちまくる一方、7月末に契約を結んだアメリカ人ピッチャーのヒースが予想外にいい素材なんです。150キロ近い直球に加え、スライダーのキレが抜群。登板2試合目の中日戦で、6回3分の1を3安打無失点で抑え、初勝利を挙げ、ローテに加わりました。23季ぶりのリーグ優勝を目指し、まだまだしぶとく巨人に食い下がると思いますよ」(前出・記者)

最後に笑うチームは?

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