「普段の取材活動はおろか、ご近所さんからも冷たい視線を浴びせられるなど、かなり厳しい状況です……」

朝日新聞の記者がこう嘆くほど問題が大きくなっている同社の誤報問題。虚偽の証言を基にした従軍慰安婦記事の作成や、根拠のない福島原発事故の記事作成などが露見し、国民や他のメディアから総バッシングを浴びているのだ。

この状況を受けて、同社の木村伊量(ただかず)社長が9月11日に会見を開いて謝罪、翌12日からは連日のように紙面でおわびを重ねているのだが、

「社長の会見は、私たち社員から見ても、本当に謝罪の気持ちがあるのかどうかわからない内容でした。その上、自戒しているというつもりなのか、『遅すぎた取り消し陳謝に紙面楚歌』という読者から寄せられた批判の川柳を紙面に載せるなど、わけのわからない対応で、風当たりは強まる一方です」(前同)

そのため、各地で不買運動や、朝日新聞の廃刊を要求する署名活動が活発化、購読の解約も相次いでいるという。この朝日新聞の苦境をライバル紙はどう見ているのか?

700万部以上の発行部数で業界2位の朝日新聞の購読者離れは、ライバル紙にとっては顧客流れ込みにつながるため、もろ手を挙げて歓迎すべきことかと思いきや、事はそう簡単には進まないという。

「朝日の誤報問題は、1社のみならず新聞業界全体の信用を失墜させました。実際にウチの記者も"お宅も朝日みたいなことやってるんでしょ"などと言われて取材を拒否されたり、年間購読を解約されたケースがあります。朝日とはまったく関係ないのに、いい迷惑ですよ」(他紙社員)

新聞への不信は、思わぬ所に余波を生んでいるという。それが、新聞業界が官邸に働きかけていた消費増税時の新聞への軽減税率の導入だ。

「これは、来秋に予定されている消費税10%への引き上げの際に、新聞は特例として5%のままでよいとするもの。これが導入されれば新聞は値上げしなくてもすむし、購読者数の維持につながります。新聞協会や各大手紙幹部の必死のロビー活動もあって実現の方向で進んでいたのですが、先日、官邸側から"朝日に対する世論に配慮すると難しそうだ"との回答があったそうなんです。1社の問題で業界全体まで巻き込まないでほしいですよ!」(前同)

朝日が沈んで、新聞業界はお先真っ暗!?

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