なんというか、日本の大学生のレベルの低さを晒してしまったかもしれない。なんのことかといえば、『エアマット漂流事件』である。
去る10月19日、横須賀海上保安部は神奈川県葉山町の沖合約3キロの海上をエアマットで漂流していた東京都杉並区、男子大学生(19)を救助し、大学生と保護者を厳重注意したと発表。なんでも、大学生は同日午前6時、葉山町の森戸神社付近の海岸から、1人でエアマットに乗って出発し、沖合500メートルの場所にある無人島・名島(なじま)を目指したという。ちなみに、この名島は葉山町にある無人島で『菜島』とも書く。昔は地続きだったとか。


くぼみのある島が名島。

しかし大学生は出発して約1時間40分後、自ら119番通報して救助を求め、同海保、町消防、葉山署、葉山港管理事務所から12人と船1艇が出動して救助された。大学生は冒険サークルに所属していて、無人島の名島を探検しようと考えていたというが……舟ではなくエアマットを使うところ自体が冒険そのものである。さらにオールも救命胴衣もなく、棒で海底を突いて進もうとしていたというから……冒険というよりも無謀といったほうがいいかもしれない。なお、彼が見つかった場所は水深約70メートル。普通の棒では、到底マットをコントロールできないだろう。
マットから海中に落ちなかったため、大事に至らなかったとみられるというが、もしも大波が来ていたら……。また、ケータイの電波が届く距離だからよかったものの、一歩どころか一漕ぎ間違えれば大惨事である。
おそらく、岸から500メートルという距離が、彼の冒険心をくすぐったのだろう。しかし、静かな葉山とはいえ海は海。海流というものが存在する。それをレジャー用のエアマットを使うのだから……まさに迷惑なひとりよがりのマットプレイだ。
厳重注意を受けたこの大学生も、航海と後悔がイコールで結ばれたには違いないだろう。そして、短距離だろうと海を甘くみてはいけない、海水なだけに……。

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