好調狙い馬予想 薮中泰人
クリノスターオー弱点克服!


冬の阪神開催で行われていたJCダートは今年からチャンピオンズCに名称が変わる。1800メートルダートの距離は同じだが、舞台も中京競馬場へ移行された。
今週はそのGIの前哨戦、みやこSが日曜京都のメインだ。一昨年のJCダートを制したニホンピロアワーズにインカンテーション、クリノスターオー、さらにソロル、ナムラビクター、ブライトラインと好調馬、実績馬がそろって馬券的にも楽しめる一戦である。

そんな中、本命候補として取り上げたいのはクリノスターオーだ。オープン昇格で迎えた今年はなお勢いが止まらず、5月の平安S、10月のシリウスSと2重賞を制覇。2着に敗れたが、7月のG3エルムSではチャンピオンズC1本に照準を合わせているローマンレジェンドと一騎打ち。アタマ差の接戦に持ち込んだ。3着馬に5馬身もの差をつけたから地力強化は歴然だった。

前走のシリウスS勝ちも地力アップを物語る内容だ。2番手マークの形は同じでも、勝負どころから3番手のナムラビクターが早めに並びかける厳しい展開。もまれ弱さがネックになっていた気性面から1馬身前に出られた直線入り口では万事休すかと思われたが、ラスト1F手前から猛然と巻き返して2頭の間を抜けて出たから驚く。弱点克服に真の強さを見た思いだ。
前走後は短期放牧に出たが、帰厩後も毛ヅヤがピカピカで、充実しきった馬体。今年、絶好調の高橋忠厩舎には勢いがあり、チャンピオンズCへ弾みをつける戦いになる。

同じ日曜日、東京ではアルゼンチン共和国杯が行われる。関東馬が優勢ムードだが、関西馬のラブリーデイにもチャンスはある。放牧でリフレッシュされ春の疲れが抜けた馬体。10月16日に栗東に帰厩し、19日の坂路で初時計。22日にはCWコースで併走追いと攻めピッチも上がっている。レースを開けたほうが走れるタイプでもあり、大きな期待をかけたい。

今週は土曜日にも東西で重賞が組まれている。ともに2歳戦で東京の京王杯2歳Sはワキノヒビキに注目。前走のもみじSは2着に敗れたが、最速上がりの33秒7で鋭く追い込んできた。キャリアを積んで差し馬として成長、東京7Fの舞台はぴったりだ。
京都のファンタジーSはレオパルディナに期待。デビュー2連勝のあと、前走の小倉2歳Sはゴール前で勝ち馬の強襲にあってハナ差2着に敗れたが、レースそのものは主役の立ち回りだった。放牧効果で体を大きく見せ、乗り込みも十分。

(日刊ゲンダイ大阪記者)

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