好調狙い馬予想 薮中泰人
春から急成長フィエロが本命逃げ馬ミッキーの粘りに注意


連覇を目指すトーセンラーは、昨年と同じ京都大賞典を使っての参戦。3着の結果も同じだったが、違っているのは馬体に昨年ほどの充実感がないこと。薄いというか、張り自体も物足りないのだ。これは6歳の年齢から来るものか。
この中間も角馬場で時間をかけて乗り込むなど、藤原英厩舎らしい丁寧な調整だが、追走して遅れた2週前追い切りなど、動きにハツラツ感が伺えない。京都外回りコースの鬼を考慮しても、押さえの△まで。

◎は同じ藤原英厩舎のフィエロだ。前哨戦のスワンSは追い込んで届かずの3着だったが、ゴール前の脚勢は一番。スローペースで4角10番手の位置を考えれば、敗れてなお強しだった。

それ以上に目を引くのは馬体だ。前走比14キロ増は少し立派だったが、全体に筋肉量を増して迫力満点。春より数段パワーアップしていた。同じ舞台で行われた春のマイラーズCで自身もコースレコードを上回る2着に好走しているが、この迫力ボディなら今秋はGⅠタイトルに手が届いていい。

相手一番手はミッキーアイル。前走のスワンSは勝ったものの、展開利などを考慮すれば物足りないゴール前だったが、叩いての良化度はイメージ以上。すぐにコースで乗れるほど元気いっぱいだ。さらに同型の存在がなく、今回もマイペースの逃げが打てるメンバー構成。斤量も1キロ減だ。前哨戦以上に粘れる材料が加わるから侮れない。

3番手の▲はサンレイレーザー。とにかくデキがいい。レース2週前時点で坂路3本の時計を出し、11月5日にはPコースで6F76秒3-3F35秒9の好時計もマークした。バリバリ攻められるほど馬体が充実している。もとよりマイル戦がベスト。毎日王冠2着をフロック視すると危険だ。あと、実績上位のグランプリボス、ひと叩きしたワールドエース、ダノンシャークにも注意がいる。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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