11月9日、大相撲九州場所が初日を迎えた。
秋場所を制して31度目の優勝を果たした横綱・白鵬が、横綱・大鵬が持つ最多優勝記録(32回)に並ぶのか、大いに注目されるかと思いきや、世間の目は角界いちじょうのモンスター・逸ノ城(21=湊部屋)に向いている。

「初めて幕内で迎えた秋場所で、優勝争いに加わる13勝2敗という新入幕最多タイの好成績を残しました。しかも、身長192センチ、体重199キロの巨体を生かした圧倒的なパワー相撲で、1横綱2大関を破るなど成績も立派。注目度も急上昇です」(スポーツ紙記者)
その結果、逸ノ城は10月27日発表の新番付で西関脇に昇進。幕下付け出しデビューから5場所での三役入りは、昭和以降で最速だ。
「今年の初場所で初土俵を踏んでから、十両昇進、優勝、そして、史上2位タイとなる新入幕と、驚くほどのスピード出世を遂げていますから、期待されるのは当然、横綱昇進」(前同)
なんと、その快進撃を支えているのが、あの貴乃花親方の指導だという。
「逸ノ城は場所前に出稽古に行くのが慣例で、特に貴乃花部屋へおもむいての稽古では、元横綱から直々に"綱取りの極意"を注入され、横綱としての振る舞い、研究された後の対策など、大きな刺激となっているようです」(同)

圧倒的な強さと人気で、すでに「横綱・逸ノ城」の誕生は既定路線といった気運。ある部屋の親方が話す。
「先場所では開催15日のうち満員御礼が14日。この数字は曙や貴乃花、若乃花が注目を集めた1997年初場所で15回の満員御礼が出て以来、実に17年ぶりだ。人気回復は、事実上の"白鵬1強"で閉塞した相撲界の中で、躍進した逸ノ城や遠藤ら若手のおかげ。その勢いのままに横綱昇進し、角界を盛り上げてほしい、と関係者は待ち焦がれているよ」

周囲が大いに盛り上がる綱取りの時期。気が早い気もするが、来年の名古屋場所後の昇進すらささやかれているという。
「一般的に、大関昇進には"3場所連続で三役の地位で33勝"が目安とされ、さらに大関から横綱昇進には、"大関として2場所連続で優勝か、それに準ずる成績"が必要とされます。逸ノ城が先場所で見せた相撲は、今後も優勝争いに加わるに十分なもの。来年の九月場所での昇進は、もはや勇み足とは言えません」(角界関係者)
まさに、角界挙げての「横綱昇進300日計画」は待ったなしの状態――逸ノ城なら、やってくれるはずだ。

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