今シーズン16勝を挙げ、防御率も1.98、最多勝と最優秀防御率の二冠を獲得したオリックスの金子千尋投手(31)。
投手にとって最高の名誉である沢村賞も獲得した球界屈指の右腕が、今月11日に国内FA権の行使を表明した。

「シーズン中に巨人が獲得に動き、相思相愛と見られていました。しかし、"いつかはメジャー"という金子の意思と、複数年契約を求める巨人の意向が合わず、破談となったようです」(全国紙運動部記者)
こうした状況を受け、金子の争奪戦が激化。ソフトバンク、楽天、阪神、中日が獲得に名乗りを上げた。
「なかでもソフトバンクの孫正義オーナーがご執心のようです。巨人が承諾しなかった"来オフのポスティングシステムによるメジャー挑戦も認める"破格の条件を出したとか」(前同)

過熱する争奪戦だが、金子本人は自身の進路には至って冷静なようだ。
「金子は野球人生をメジャーで終えたいと考えているようだが、社会人野球時代と、4勝しかできなかった12年のシーズン中の2度、ヒジを故障している。自身の投手生命はそれほど長くないと考えているようで、一刻も早くメジャー挑戦したいというのが本音。そのためにオリックスと"密約"を交わしたらしい」(ベテラン記者)
オリックスは、エースの慰留に3度の残留交渉を行い、3年10億円超と言われる破格の条件を提示してきたが、FA宣言を止めることはできなかった。

「残留説得が難しいとなると、球団のソロバン勘定も変わってくる。国内FAでライバル球団にさらわれるくらいなら、多額の移籍金が入るポスティングシステムでの海外移籍を認めたほうが得なんです」(前出・全国紙運動部記者)
そうなると、11月30日までに提出する契約保留選手にも入れたくない。金子のために支配下選手枠70人を使ってしまうためだ。
「球団としては、それまでの20日間でカタをつけたい。そうでなくても日割り給料が発生する1月10日までには、大金を得て"放出"をまとめたいんです」(前同)

もし、国内FAとポスティングが併用されれば、プロ野球史上初のこととなる。
「これで金子は日米42球団との交渉が可能になる。国内ならメジャー行きを後押ししてくれる球団だろうけど、それは、あくまで"保険"。本命は、やはり"渡米"だろう。金子としても10年間、世話になったチームに金銭的に恩返しすることもできるからな」(前出・ベテラン記者)
ともあれ、日本球界が誇る最強右腕のメジャー流出は止められそうにもない!?

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