ついにエイリアンを捕獲! と、いうワケではない。しかし、“未知なる生物”であることは間違いないだろう。謎の深海魚である『ブラック・シーデビル』の生きた姿が初めて映像で公開されたのだ。

この『ブラック・シーデビル』はクロアンコウの仲間で、これまで写真でさえ数える程度しか撮影されていない。それゆえに生態は謎に包まれ、寿命などもわかっていなかった。その名前は頭から伸びたイリシウムと呼ばれる“釣り竿”の先端にある光る部分をブラブラと振って、まんまと近寄ってきた獲物を長い歯でガブリと捕食する姿に因んで名付けられたものだ。
そんな幻の深海魚が発見・撮影されたのはカナダ・モントレーでのこと。580メートルの深さで、遠隔操作の探査機を使って撮影したという。

さて、恐い名前に恐い姿であるが、その大きさは体長は9センチほど。意外に小さい。そして、撮影されたのはメスと考えられる。そう、こんな顔をしていても小柄な女性と同じなのです(?)。
なお、このブラック・シーデビルは生きたまま引き上げられ、研究所で飼育されているという。ちなみに、その水槽は驚くことに大型の冷凍庫に似た特注の暗室。断熱材に覆われた照明のない水槽は、暗く冷たい深海を再現しているのだ。これならば、さらなる研究結果が期待できるかもしれない。

ちなみに子の映像で魚類学者がまず始めに驚いたのは、背びれを動かして泳ぐ様子だったとか。また研究者によると、このブラック・シーデビルは捕獲前に、ブラック・ドラゴンフィッシュとニギスに似た魚を食べていたという。……シーデビルにドラゴンフィッシュとは、さながら海底怪獣大戦争のようである。

今回、このブラック・シーデビルが捕獲されて、改めて思うのは、海底にはまだまだ未知の生物がいるということだ。その世界は、実に深いということだろう、深海魚なだけに……。

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