寝るときは、ふとんに入る。現代人にとっては当たり前のことです。ところが、これが当たり前になったのは、つい最近。まだ100年程度しかたってないそうです。
日本では戦国時代あたりまで、ふとんで寝る習慣はありませんでした。貴族は畳の上で着物を掛けて、庶民は板の間や地面にムシロを敷き、裸で寝るのが普通でした。
江戸時代になると綿入りのふとんを使う人も出てきますが、一部の上級武士や豪商だけでした。
なにしろ、当時のふとんの値段は3枚100両。1両10万円の計算で1000万円。一般人には高嶺の花だったのです。明治半ばになって、ようやく庶民にもふとんが普及し始めます。しかし、その扱い方は今とは少し違っていました。多くの場合、ふとんは日の当たらない納戸のような場所に敷かれ、1日中そのまま。要するに万年床です。朝にふとんを上げ、夜になったら敷くという習慣ができたのは、大正時代の頃だそうです。
薄暗い場所に敷きっぱなしにされたふとんにはカビが生え、害虫もいたでしょうが、万年床にするには、それだけの理由がありました。その理由とは?


答え :当時の家には押入れがなく、ふとんをしまう場所がなかった。

出題:浜川卓也

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