好調狙い馬予想 薮中泰人
ついに本格化サトノアラジン


日曜日の東京メイン、エプソムCに関西から強力馬が2頭も参戦する。

まずサトノアラジンだ。
素質馬ぞろいの池江厩舎の中で現4歳世代では一番馬の評価を得ていたが、3歳時は菊花賞に挑戦したものの不利もあり6着。重賞タイトルに手が届かなかった。
今季は準オープンからの出発だったが、初戦2着のあとの2走がイメージを一新させる走りだ。2走前は中山のマイル戦を4角8番手から一気差し。上がり3Fはレース上がりを2秒1も上回る32秒7の"鬼脚"だった。

東京で行われた前走のオープン特別も凄い。距離は1800メートルだったが、4角はまだ12番手。それが直線では馬群を掻き分けての抜け出し。これまたレース上がりを1秒6も上回る豪脚だった。3歳時に見せた折り合いの悪さ、詰めの甘さがウソのようなレースぶり。完全にひと皮むけたといっていいだろう。

本格化を促したのは、池江厩舎の調整法にもあるか。併走の6F追いで当該週まで緩めなかったのがそれまでの池江流。それが2走前から当該週は4Fを流すソフト調整に変えている。この調整法がマッチしたのか、管理馬も次々と結果が出ている。

3歳牡馬のサトノラーゼンが京都新聞杯を勝ち、ダービーでも2着すれば、牝馬のミッキークイーンもオークスを制している。これは"魔法の調整法"なのか。
前走と同舞台で走れるアラジンもここで重賞タイトルに手が届く。

強力馬はもう1頭、エイシンヒカリだ。昨年暮れのチャレンジC6着で、デビュー以来の連勝記録は5で止まったが、前走のオープン特別で立て直してきた。連勝時と同じ逃げ切りだったが、初コンビを組んだ武豊が刻んだラップが見事だ。
前後半の3、4Fがそっくり同じの35秒0- 6秒9。それだけ折り合っていたことになる。東京コースは3走前に外ラチまでふくれる若さを見せたが、武豊とここまでコンタクトが取れるのなら心配はないだろう。いずれにせよ3連単はこの2頭を主軸にした馬券で組み立てるのが正解だ。

同じ日曜日、阪神では牝馬重賞のマーメイドSが行われる。6月施行に替わって以後、荒れるハンデ重賞として知られるが、波乱の立役者になっているのが軽量馬だ。一昨年こそ56キロのマルセリーナが勝ったが、あとの8年で7頭までが53キロ以下の馬が勝っている。抜けた馬がいない今年も軽量馬狙いに徹したいが、候補はアドマイヤギャラン、イリュミナンス。大穴でカノンまで挙げておく。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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