なぜ?靴底が突然ボロボロになってしまうワケの画像
なぜ?靴底が突然ボロボロになってしまうワケの画像

歩いているといきなり靴底がボロボロと崩れ、3歩も歩かないうちにかかとがむき出しになってしまう……。そんな怪奇現象のような事故が後を絶たない。

これはウレタン素材の加水分解によって起こる現象。靴がダメになるだけならまだいいのだが(それも困るが……)、いきなり崩れるために転んで怪我をしてしまうこともあるから厄介だ。

そもそも加水分解とは、反応物と水が反応して生成物に分解してしまう反応で、それに弱い代表格が、スニーカーなどの靴底に使われているウレタンゴムなのだ。つまり雨の日にガンガン履いていると分解がすすみ、ある日突然、ボロボロっと崩れてしまうのだ。国民生活センターの報告によると壊れた靴の大半がビジネスシューズとのことだが、これはサラリーマンが雨の日でも出かけなければならない仕事事情によるものだろう。

しかし同じく国民生活センターの報告を見ると、たいしてはいていない靴でもこの被害が起こっているという。これは雨に濡れなくても空気中の水分による加水分解が進んでしまうからだ。日本は世界的に見ても高温多湿な国。お気に入りのスニーカーをしまいこんでいるといつの間にか加水分解がすすみ、いざおでかけの時にボロボロっと崩れてしまうことがあるのだ。しかも困ったことにこの分解はウレタンが製造された時から始まってしまう。例え新品でも作られてから2年以上が経っていれば、加水分解してしまう可能性があるのだ。

残念ながらウレタンゴムの加水分解を止める方法はない。せいぜい雨に濡れたら布で水分を取り、乾燥剤を入れた箱で保管することで、分解を少しでも遅らせることぐらいだ。靴は消耗品と割り切り、ある程度はいたら新しいものを買うのが、ボロボロアクシデントを避ける最良の方法なのかもしれない。

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