好調狙い馬予想 薮中泰人
スマートオリオン重賞V2だ


今週の小倉は重賞レースがないが、注目レースは土曜メインの阿蘇Sだ。
ダート千七の舞台に小倉得意のオープン馬が集結。馬券的にも面白い組み合わせになっている。キクノソル、キングヒーローにメイショウソラーレ、ワンダーコロアールあたりが有力馬として挙げられるが、1頭強調するならキクノソルだ。

今年1月に準オープン特別を勝ち、オープン入り後の3戦も3、4、5着。2走前のマーチSでは0秒1差に善戦している。2歳のデビューから5歳の今年まで2度の休養があり、出世曲線は緩やかだったが、確実な地力強化が見て取れる。

小倉コースは得意だ。初参加だった昨夏は2戦して2、1着。小回りコースに必要な先行力、器用さで巧者ぶりをアピールした。
今回は3か月ぶりの出走になるが、7月22日の初時計から乗り込みは順調。29日の2週前追い切りでは4F51秒1、上がり2F 24秒4-12秒4の好タイムをマークしたほどだ。鉄砲も利く気性で、いきなり馬券に絡んできそうだ。

重賞が組まれているのは日曜日の新潟。関屋記念はサマーマイルシリーズの第2弾で、中京記念を制したスマートオリオンがマイル重賞の連勝を狙っている。
それまでスプリント戦を主体に使われてきたが、前走の勝ち内容なら、むしろマイル向き。前半でゆっくり入れるぶん流れに乗れ、スプリント重賞のように前が壁になるなどの不利を受けることがない。重賞V2も十分だろう。関東馬はあとカフェブリリアントらも出走予定で強力だが、関西馬で可能性を探ればエキストラエンドだ。

春のマイラーズC4着のあと一息入れたが、坂路とコースでしっかり乗り込まれている。実質の初時計は7月29日の坂路56秒2だが、29日、8月2日と立て続けに時計を出し、仕上げが進んでいる。関屋記念は昨夏に挑戦して9着だったが、大きく出遅れる不利。それでも最速上がりの33秒5をマークだからコース相性は悪くない。ディープ産駒の一発駆けに注意がいる。

同じ日曜日に札幌ではダート重賞のエルムSが行われる。栗東トレセンで着々と態勢を整えているのがグレープブランデーだ。7月31日には坂路で52秒8-12秒3をマーク。素軽い動きが目を引くし、黒光りする馬体は迫力満点。なにより気持ちが前向きになっている。安田景助手も「前走は外枠がこたえたが5着。いい頃の闘争心が戻ってきましたね」と話している。連続騎乗のルメールで復活シーンがあっていい。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

本日の新着記事を読む