好調狙い馬予想 薮中泰人
名手も絶賛のエイシンヒカリ


3日間開催の今週は、日曜日に東京で毎日王冠、祝日の月曜日に京都で京都大賞典が行われる。ともに秋GⅠを占う重要な前哨戦だ。

まず毎日王冠だが、今年はメンバーが凄い。イスラボニータ、スピルバーグ、ダノンシャーク、そしてリアルインパクトとGⅠ馬が5頭もいて、ヴァンセンヌ、ステファノス、などGⅠで2着した実績馬もいる。
さらには、ラジオNIKKEI賞を制したアンビシャスも参戦予定だ。

そんな中、大きな期待を寄せたいのはエイシンヒカリ。前走のエプソムCで重賞ウイナーの仲間入りをしたばかりだが、戦績は8戦7勝。デビューからの連勝記録は昨冬のチャレンジCで止まったが、復帰した今春はV2とまた連勝モードに入っている。

エイシンヒカリは異色のディープ産駒だ。ほとんどのレースが逃げ切りで、行きたがる気性がネック。4走前の東京戦では直線で外へ逃避、ゴール前は外ラチを走っていた。若さを残していた訳だが、今春の2戦は折り合い面も文句なし。
2走前のOP特別では前後半の3F、4Fが35秒0-46秒9とそっくり同じラップを踏んで勝った。

2度目の東京戦だった前走のエプソムCでも前半3F35秒6-47秒5で入り、折り合いはピタリ。サトノアラジン、ディサイファを振り切った。騎乗した武豊も「秋は大きいところにいきたい」と高い評価を与えていた。勝負の秋へ、陣営の仕上げも熱っぽい。初時計が8月30日の坂路で以後、速い追い切りを毎週続けている。

9月16日には坂路でラスト11秒9の時計が出るほど動きもいい。前記したメンバーの目標はあくまでGⅠだが、いきなり結果を求める調整過程。コレといった逃げ馬がいない今年は重賞V2の可能性が高まる。
京都大賞典は頭数こそ落ち着きそうだが、ダービー馬ワンアンドオンリーに、今春の宝塚記念を制したラブリーデイ。菊花賞馬のトーホウジャッカルは札幌記念のあと脚元関係が一息で回避が濃厚だが、ラキシスの参加もありレースレベルは低くない。

馬券的に狙いたいのはサウンズオブアースだ。9月6日の初時計から乗り込みはすこぶる順調で今春の日経賞以上の中身の濃さ。体もほぐれて硬さがないから今秋は期待できる仕上がり。体が出来ていれば、テッポウも利くのが同馬。舞台の外回り2400メートルもぴったりだ。人気のGⅠ馬を差し切るシーンに期待。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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