データ予想 須田鷹雄
東京得意ロンギングダンサー

アルゼンチン共和国杯は前走条件戦組が強いレースだ。
これは、オープン入りしたばかりや、1000万条件から準オープンに昇級したばかりだとハンデが確実に軽くなるため、実力よりもハンデに恵まれることが多いためだろう。

ただ、最近はファンも、このパターンを狙うため、過剰人気になっている印象もある。本来は準オープンを惜敗してきた馬が面白いのだが、そのような馬だと出走のために収得賞金が足りないことも多い。

一方で、前走重賞組はどうか。調べてみると、前走重賞で大敗していた馬が巻き返すというシナリオは狙いにくい。
過去10年、前走重賞で10着以下だった馬は〔10130〕で複勝回収率34%。前走6~9着の組も複勝回収率は52%と低い。

前走重賞1~5着組も回収率が高いわけではないのだが、勝率や複勝率は当然のことながら高い。期待値が同じなら、的中頻度が高いほうが良いに決まっている。
日本のハンデは上がりやすく下がりにくいので、持ちハンデがあまり高くはなく、それでいて近走内容が悪くはないという馬が理想だ。もちろん、東京コースの実績といったことも取捨にあたっては必要となってくる。

今年の想定馬を見渡してみると、○ゴールドアクターが前走準オープン勝ち馬では人気になりそう。ただ、この馬は菊花賞3着馬で、かつ連勝中の身。有力であることは間違いないのだが、この馬が、おいしいオッズになることは考えづらいだろう。

◎は、ちょっと穴っぽいところでロンギングダンサーとしてみる。前走は新潟記念に出走し4着。このときのハンデが53キロ。今回はGⅡだから、他馬との兼ね合いで下がることはあっても上がることはない(おそらくは53キロのまま)。馬自身、東京コースは得意だし、今回は絶対的に強い相手がいるわけでもない。ハンデ差を生かせば、勝つとまではいかずとも3着以内は確保できる。

▲にヒラボクディープ。3歳時に青葉賞勝ちがあるので、どうしてもハンデは軽くはならないが、東京コースで距離が長いというのはこの馬にとってのベスト条件。これまで距離不足か直線の長さ不足のレースを使われることが多かったが、ここならば差し脚を存分に伸ばせるし、脚質的に考えて◎とセットで馬券に絡みやすいタイプだ。

■須田鷹雄 プロフィール
1970年東京都生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。大学在学中に競馬ライターデビュー。競馬以外のギャンブルも含めた「旅打ち」をライフワークとし、国内の全公営競技場を踏破した経験を持つ。

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