若くても安心できない「認知症」、その予防に効果的な食べ物とはの画像
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 40歳代でも発症することがあり、徘徊や記憶力低下で家族の顔や名前すらわからなくなってしまう「認知症」。その病状の進行は早く、5年程度で死に至ることもあるのだとか。年老いた際、多くの人がなりたくないと答える病のひとつです。現在日本の65歳以上の高齢者のうち、認知症を発症している人は15%を超え、軽度な認知症を含めればその数はなんと約30%と言われています。また、厚生労働省の発表によれば、2025年にはこうした認知症患者数が現在の1.5倍に増えると推計されています。高齢者の半分近い人が認知症を患う世界とは想像するだけで恐ろしいですが、決して他人事ではなく、近い将来自分や自分の家族にも訪れるかもしれない現実なのです。

 しかし、明るいニュースもあります。近年では研究も進み、食生活を改善することで、ある程度認知症が防げるであろうこともわかってきました。認知症には脳血管型認知症、レビー小体型認知症など種類がありますが、日本では認知症患者の約60%が「アルツハイマー型認知症」にかかっているといいます。このアルツハイマー型認知症の原因のひとつが「アセチルコリン」という神経伝達物質の減少です。アセチルコリンは本来、体内に持って生まれる物質ですが、加齢とともに減少してしまいます。アセチルコリンを作るために必要なのは「コリン」という栄養素で、このコリンを摂取することが、認知症予防の第一歩になるのです。

 コリンを最も多く含む食べ物は「豚レバー」です。100gあたり641mgのコリンを含む優等生で、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12、亜鉛、鉄、モリブデンといった、健康維持に欠かせないビタミン&ミネラルもたっぷり。カロリーが低く(100gあたり128kcal)、炭水化物量も少なく、アンチエイジングを意識したい女性なら、毎日でも食べたいうれしい食材です。独特な臭みは米のとぎ汁や牛乳につけて血抜きをすればほとんど抜けるので、問題なくいただくことができるはず。ニンニクやハーブを加えてレバーペーストにすればより食べやすいですね。ちなみにアルツハイマー型認知症患者の男女比は約2:3で、女性のほうがかかりやすいといわれています。考えてみれば男性はレバニラ炒めなど、女性よりレバーを多く食べる傾向にあるかも!? 女性も負けてはいられませんね。

 次いでコリンが多く含まれるのは、鶏卵、つまり卵です。鶏卵1個あたりに約260mgのコリンが含まれていて、1日に卵を2個以上食べるようにすれば、コリンの目標摂取量(1日500mg以上)をクリアーできちゃいます。卵の栄養を十分に吸収するには生で、または半熟程度に加熱したものがベターだそうです。加熱をしすぎるとビタミンが失われて消化しにくくなってしまうので、温泉卵など、生に近いくらいの半熟でいただくのがいいようです。恐るべき事態を避けるためにも、今日から「レバ活」&「卵活」、始めてみませんか!

わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。

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