眠くなってついウトウトはNG!! 「うたた寝」すると疲れが増しちゃう!?【快眠外来】の画像
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 不眠に悩む日本人は、なんと5人に1人といわれています。ここでは快眠の伝道者「眠りの女王ヒサコ」が、眠れない人々にあらゆる快眠法を伝授。これで今夜は枕を高くして眠れるはず!

 帰りの電車でラッキーにも座れて、コックリコックリ……。夜ご飯のあとに眠気が襲ってきてソファで、うとうと……。このちょっとした居眠り、うたた寝ってホント気持ちいい~♪ なのに、いけないって! なぜ? 作業療法士・菅原洋平さんのお話です。

●睡眠圧を高めて、深い眠りを得る方法

菅原さん:パチンコってあるでしょう? 駅前の、ではなくて子どものころに遊んだ、ゴムを張って玉を飛ばすパチンコ。グーッとゴムを伸ばして張ってから放すと、威力が増しますよね? 眠りも同じなんです。眠っていない時間が長いほど、睡眠への圧力が高まって、眠りが深くなるのです。

ヒサコ:……ということは、つまり本ちゃんの睡眠の前に寝てはいけないということ?

菅原さん:そうです。うたた寝をすると、昼間起きている間に溜めた睡眠圧が失われてしまうのです。深い眠りができなくなってしまう。脳は、ひとまとまりの深い睡眠が取れると、成長ホルモンが出て一気に疲労回復するのです。疲労回復できれば、昼間元気になり、しっかり働けるようになります。

ヒサコ:でも、ソファでうたた寝するからそのあとお茶碗洗ったり、翌朝のごはんの仕度をしたり、仕事の準備をしたりできるんじゃないかと。

菅原さん:そうじゃないんですよ。うたた寝してしまうから、疲れるんです。深い睡眠ができなくなって疲れが取りきれなくなっているんです。眠くなったら、いろいろやることがあっても思い切ってベッドにいって寝てしまえばいいんです。深く眠ることができれば、疲れが取れますからもっとタフになり、仕事も一気にはかどります。

ヒサコ:そうはいっても、家でビールを飲むとすぐ眠くなっちゃうんですよ。かといって、ビールはやめられないし……。

菅原さん:アルコールを飲むと眠くなってしまう人は、水をコップ1杯飲んでからお酒を飲んでください。アルコールの催眠作用が薄くなり、すぐに眠くなるということがなくなります。アルコールには利尿作用があって脱水になりやすいですから、それを防ぐためにも水分補給は大切です。

ヒサコ:わかりました。渇いたノドにグビ~ッとやりたいですけれど(苦笑)。

菅原さん:楽しみはしっかり確保する必要があります。でもダメージは少なくする。そこを上手にやっていきましょう! 週4日でいいですから「うたた寝しない」を実行してみてください。

ヒサコ:毎日じゃなく4日でいいんですか?

菅原さん:生体リズムは、過半数をとれば取り戻せるのです。1週間は7日ですから4日間実行できれば、体は同調してきます。最初の2週間に週4日続けることができれば、リズムができてきます。

ヒサコ:なんだかやれそうな気がしてきました。

菅原さん:睡眠は、自分がやりたいこと、かなえたいことのためにあるんです。人生、自分の体をどう使ってどう乗りこなしていくか。最高のパフォーマンスを出すために、睡眠を利用してほしいのです。睡眠が変われば、体が変わり、思考が変わります。そして生活が充実してきます。ぜひ、実行してみてください。

ヒサコ:はい。眠りの女王の名に恥じない「快眠」で、不眠の民のためいい仕事をしたいと思います!

(取材・文/眠りの女王ヒサコ)

菅原洋平さん:作業療法士、ユークロニア(株)http://activesleep.net/active-sleep/代表

青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国家資格作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構で脳のリハビリに従事。睡眠と生活習慣病、うつ、事故、生産性……などとの関係に着目し、臨床実践。病気を予防し、本来の能力を最大限発揮させるビジネスプランを構築し、睡眠セミナー、企業での睡眠研修などを行っている。「ベスリクリニック」(神田)http://besli.jp/の睡眠外来でも治療にあたる。『思いつきで行動してしまう脳と考えすぎて行動できない脳』『あなたの人生を変える睡眠の法則』ほか、著書多数。

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