ドバイ帰りのリアルスティールは安田記念で11着に敗れた。調整面で多少なりとも誤算があったようだ。その点、同じドバイ帰りでも、ドゥラメンテは日程面に余裕があり、レース2週前時点で、すでに6本の追い切りを消化。9か月ぶりのレースとなった2走前・中山記念時よりも、はるかに動ける仕上がり。右前を落鉄し、裸足で走ったドバイシーマクラシック2着を持ち出すまでもなく、実績は圧倒的だ。

 相手本線はキタサンブラック。天皇賞のダメージがまったくなく、この中間もビシビシ追える好状態だ。坂路で2本時計を出したあと、コースをCWに移しての追い切りがすでに4本。これがレース2週前時点だから、元気さを全面にアピールしている。抜け出すとソラを使うタイプで、陣営もその点を考慮しての併走追い。馬体も締まって動きもさえている。天皇賞と同じく、これといった逃げ馬がいない組み合わせ。展開面の有利さを生かす武豊の逃げっぷりが今回も楽しみだ。

 怖いのはトーホウジャッカルだ。菊花賞のあと体調が整わず、4走連続で馬券圏内を外したが、前走の天皇賞・春は外、外を回る不利な形でも5着まで差し込んできた。動きもまだ地味だった前走と比べると、この中間はいい頃の活気まで戻っている。前走時から始めたプール調教も効果的で、馬体の締まりまで違ってきた。直前はこれなら、坂路で久々に51秒台の時計も飛び出すか。完全に復調しているだけに、馬券的には最も妙味ある狙い馬になる。

 GIで本番勝負の仕上げが多い藤原英厩舎のステファノスも怖い。前走は追い足りない調整過程で鳴尾記念2着。叩いての上昇度が無視できない中間気配だ。あと、池江厩舎では体が立派に映るラブリーデイよりサトノノブレスの上昇度が不気味。関東馬のサトノクラウン、アンビシャスの押さえも必要だ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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