小泉今日子に松田聖子「ファンに襲われた」アイドルたちの画像
小泉今日子に松田聖子「ファンに襲われた」アイドルたちの画像

 東京・小金井市で歌手の冨田真由さん(20)が、ファンの男に刺された事件の記憶が冷めやらない中、アメリカでも同様の惨劇が起きた。米NBCテレビのオーディション番組で注目を集め、歌手デビューをしたクリスティーナ・グリミー(22)がフロリダ州オーランドのコンサート会場で銃で撃たれて亡くなったのだ。公演終了後に会場でサインをしていたさなかのことで、ファンの面前での出来事だった。グリミーさんを射殺した男は、犯行後に銃で自殺。動機は不明だが、計画的なものだったという見方もある。

 芸能人がファンに襲われるという事件は後を絶たない。2014年には岩手県で行われたAKB48の握手会イベントで、メンバーの川栄李奈(21)、入山杏奈(20)がノコギリを持った男に襲われた事件が起きているが、過去に同様の握手会イベントで、わらべの倉沢淳美(49)も襲われている。倉沢の所属していたわらべは、当時絶大な人気を誇っていたバラエティ番組『欽ちゃんのどこまでやるの!』(テレビ朝日系)から誕生したアイドルユニット。ソロデビュー直後の1984年、札幌市で行われたサイン会で、終了後に見送りのファンたちと握手をしていたところを、イベントに来ていた男に刃物で切り付けられ、手首を切られた。犯行動機は「生意気だったから」という不可解なもの。倉沢は1993年、結婚を機に芸能界を引退し、現在はドバイ在住。AKB48襲撃事件を受け、自身の経験をもとに川栄と入山に、事件のトラウマは尾を引くが自分自身で克服するしかない、というメッセージを送っている。ちなみに事件の後でも、倉沢はファンのために握手会イベントを続けていた。

 その前年の1983年には、歌手の松田聖子(54)がファンに襲われる事件が起きている。沖縄市で開催されていたコンサート中、客席の最前列にいた男がスチール製金具を持ってステージ上に乱入。『渚のバルコニー』を歌っていた松田を何度も繰り返し殴打し、失神状態となった松田は病院へ搬送された。犯人は埼玉県から来たファンで、19歳の少年。コンサートは音楽番組『ザ・トップテン』(日本テレビ系)で生中継される予定で、会場には地元テレビ局のカメラも入っており、犯行の生々しい映像がワイドショーで頻繁に流されて世間は騒然となった。この事件で頭部と右手を負傷した松田だが、一週間後に復帰。犯人の少年を気遣う様子も見せ、アイドルとしての評判を大いに上げた。実のところ、事件のトラウマで、その後しばらくの間『渚のバルコニー』を歌うことができなかったのだという。

 同時期に、小泉今日子(50)は客席から生卵を投げつけられるという被害に遭っている。1982年の第15回新宿歌謡祭のフィナーレで出演者が揃ってステージに並んだ際、客席から生卵が飛び、小泉の頭を直撃した。その時、突然の事で呆然とする小泉に駆け寄り、舞台ソデへ引っ張っていって慰めたのが中森明菜(50)だった。このときのことを小泉は今でも恩義に感じているそうだ。その中森も、1983年に生放送歌番組『歌のトップテン』(日本テレビ系)で歌っていた最中に、突如侵入してきた不審者に大学ノートを投げつけられている。カメラの切り替えも追いつかず、この事件はそのままお茶の間に放送された。ノートには明菜への思いが綴られていたという。

 イベント会場やステージ上で被害に遭った事件は多々あるが、女優の岡田奈々(57)の場合は自宅に侵入したファンに監禁されるという非常に猟奇的なケースだ。オーディション番組のチャンピオンとなり歌手デビューした岡田。映画やドラマ、CMに出演し、人気アイドルとして活躍していたさなかの1977年、港区の自宅マンションに暴漢が侵入。ナイフで手を切りつけられ、自室に監禁されるという被害に遭っている。犯人は、岡田の新曲の振り付けを踊るなど、5時間に渡り奇行を繰り広げて逃走。結局、警察には捕まらず、時効となっている。軽傷の岡田は事件の2日後に仕事へ復帰したが、この事件が清楚なアイドル歌手としての人気に打撃を与えたと言われている。岡田はその後、ドラマ『スクール・ウォーズ』(TBS系)などで女優としての活路を見出し、サスペンスドラマを中心に現在も活躍中だ。

 繰り返されるアイドル襲撃事件のたびにイベントの在り方や警備が見直されてきた。グループアイドル全盛の昨今では、所属メンバーの数が多いこと、またSNSを使ったストーカー行為が横行していることで、アイドルを管理する事務所側も対策に苦慮しているという。さらなる被害が繰り返されないことを願う。

本日の新着記事を読む