日曜中京のメインはプロキオンS。ダート7Fで争われるGⅢ戦だ。中京に舞台を移したのは2012年。前4年を振り返ると、逃げ切り例は1頭あるが、差しタイプの活躍が目立つ重賞だ。今年も、その傾向を受け継ぎそうだ。先行タイプがやけに多いメンバー構成。差し馬有利の展開が、はっきり見えている。そこで、狙ってみたいのがキングズガードだ。

 キャリア18戦で掲示板を外したのはデビュー戦の6着だけ。あとは4着が一度あるだけで、すべて3着以内という堅実派だ。レースでも負けん気が強い走り。どんな展開になっても、しっかり追い込んでくる。ベスト距離は7Fで、全6勝をこの距離で挙げている。今季は末脚に磨きもかかっている。2月阪神で復帰して3戦3勝。特に前走の京都戦は4角9番手から強烈に差し切った。上がり3Fはレース上がりをコンマ9秒も上回る35秒1。2着馬に2馬身半の差をつけた。

 オープン初挑戦で、この芸当。「充実しきってますね」と藤岡佑の言葉も弾んだ。充実ぶりは馬体重にも表れている。それまで430キロ台で走っていたが、3走前が444キロで、前走は450キロまで体が増えていた。毛ヅヤが悪く、気配一息だった3走前を思うと、ハリも加わって大きく見せる今の馬体。重賞初挑戦でも狙う価値は大いにある。

 実際、プロキオンSはオープン勝ちからの参戦で好走例が多い。3年前はアドマイヤロイヤルが差し切り、2年前のキョウワダッフィーもクビ差2着に追い詰めた。夏場らしく、勢いが通じる重賞と言えるだろう。中京ダートは西のブロックで最も直線が長いコース。キングズガードも当地の千八ダートで2着の実績がある。先行勢がペースを上げる展開だから、一気に突き抜けてくる。

 同じ日曜日、福島では七夕賞が行われる。関東馬が優勢の組み合わせだが、関西馬で可能性があるならダコールだ。過去2度、当レースに出走。5、4着の成績を残しているが、それ以後にひと成長があった。昨年は新潟大賞典で待望の重賞初勝ち。8歳の今年も3戦すべて重賞に出走して4、2、4着。年齢を考慮され、レース間隔を開けての出走がプラスに働いている。ここ目標に坂路で丹念な乗り込み。すでに動ける態勢を築き上げている。

 大穴なら一昨年の勝ち馬、メイショウナルトだ。前走は久々に、いい逃げっぷり。これがスランプ脱出のきっかけになるか。もちろん夏が大好きの、サマーホースだ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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