今夏に襲来?「殺人豪雨」&「モンスター台風」の脅威の画像
今夏に襲来?「殺人豪雨」&「モンスター台風」の脅威の画像

 空梅雨模様の日本列島だが、九州地方だけは例外のようだ。梅雨前線に湿った風が流れ込み、6月中旬から現在に至るまで、記録的な豪雨が観測されている。「熊本県の甲佐町では、6月19日の深夜に1時間で150ミリという大雨。長崎県の雲仙岳でも、1時間に124ミリを記録しました。震災の傷も癒えぬ熊本市などでは、排水機能が完全に限界を超え、道路や家屋が冠水・浸水。さらに、震災で緩んだ地盤が土砂崩れを起こすなど、被害が拡大しています」(熊本県職員)

 さらに、その数日後には鹿児島県で記録的な豪雨。「県内全域で、6月だけで平年の半分近くの降水量を記録しました。1か月で1000ミリを超えたところも多く、一部では土石流も発生。“平成5年8月豪雨”を思い出して、ゾッとしましたね」(鹿児島県職員)

 その“豪雨”とは、93年7月末から8月7日にかけて、九州全域を襲った記録的な大雨のことだ。「今回と同じく総計1000ミリ以上の雨が降り、止んだと思ったら1日400ミリの豪雨で都市部でも河川が氾濫。県内では死者71人、床上浸水9118棟の大惨事になりました。今回はそこまでには至っていませんが、ダムや河川の貯水能力は限界に近い」(前同)

 一方で、南の海上では、さらに戦慄の事態が。「7月頭、フィリピン沖で発生した台風1号が、中心気圧900ヘクトパスカル、最大瞬間風速85メートルの猛烈な強さに発達。“スーパー台風”と呼ばれる超巨大台風になり、台湾に12時間で300ミリという暴風雨をもたらしました」(気象庁職員)

 大勢力になったのは、沖縄付近が早めに梅雨明けして、南方の海水温が上昇したことで上空に水蒸気が蓄積されたからだという。「“1号”にしては例年より遅かったのも、時間をかけて、大量の水蒸気が蓄積されたからです。その後も同じ兆候が観測されており、今後も同程度の台風の発生が予想されます」(科学ジャーナリストの幡ヶ谷純氏)

 これが日本に上陸することを考えただけでも恐ろしいが、上陸せずとも災厄をもたらしかねないという。「最近、話題のゲリラ豪雨は、遠くの洋上で発生した台風のエネルギーが前線を刺激し、関係ないところに巨大な雨雲を作り出すことで起こります。つまり、南方の台風が大きければ大きいほど、各地で猛烈な雨が降るわけですね」(前同)

 昨年9月に鬼怒川水害を起こしたような豪雨が、全国で、しかも突発的に発生することになるという。「都市を直撃すれば、電車や道路など交通網の寸断、山間部に降った場合は土砂崩れやダムなどの決壊による氾濫、さらには下流の都市部で鉄砲水なども起こるでしょう。そもそも降雨の場所さえ予測ができませんから、もはや日本中が“危険地帯”だと言っても過言ではありません」(同) 温暖化時代の雷神様は、まさに神出鬼没。常日頃から油断せず、避難グッズの点検を心掛けたい。

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