夏の小倉競馬2週戦のメインは名物重賞の「小倉記念」。芝2000メートルのハンデ戦で行われる。話題は先日、現役最速で500勝に到達した池江厩舎の3頭出しだろう。小倉記念は池江厩舎にとっても好相性のGⅢ戦だ。3年前はラブリーデイが2着。一昨年はサトノノブレスが勝ち、昨年もベルーフが2着の成績を残している。

 ただし、今年の3頭の近走成績は振るわない。サトノラーゼンは前2走が10、13着なら、ベルーフは6、9着。リヤンドファミュも14、18着と掲示板にすら載っていない。果たして今回は大きな変わり身があるのだろうか。可能性を感じさせるのがサトノラーゼンだ。中間の気配が以前とは一変。相当に動きが良くなっているからだ。

 初時計は7月10日の坂路57秒9だが、14日には52秒9-12秒0を楽な手ごたえでマーク。変化を強くアピールしていたが、CWで追った21日はさらに動きが冴える。ベルーフを相手に馬なりで1馬身半先着。6F83秒0-12秒1の時計が出た。攻め駆けするタイプではない。それがレース2週前時点でこの動きだから、ぐっと引き寄せられるのだ。

 振り返れば、サトノラーゼンは3歳の春、GⅡ京都新聞杯を制し、続くダービーでドゥラメンテの2着に好走した実績馬だ。ところが、誤算はそのあと。期待された秋シーズンはセントライト記念7着のあと菊花賞も5着止まり。4歳の今年も3か月ぶりのAJCC10着。さらに3か月レースを開けた前走の新潟大賞典も13着に終わった。

 スランプに陥った原因を探れば3歳春の激闘に思い至る。ダービーはデビュー10戦目で、中2週の過密日程だった。ここでの激走、疲れが尾を引いた可能性が強い。輪をかけたのが秋の長距離GI菊花賞。AJCC時に「菊の疲れが抜けなかった。腰の感じがイマイチ」との発言がスタッフからも聞かれたからだ。それが再度、休養を取った今回は走りのバランスがよく、トモの蹴りも力強い。さらには前進気勢にもあふれている。リフレッシュされ、復調は急なのだ。鞍上は函館から小倉に主戦場を変えた岩田。今年はまだ重賞タイトルがないが、実力馬サトノラーゼンとのコンビで人馬とも復活Vの可能性は十分にあるとみた。

 一番のライバルはダコールだ。安定した体調をキープしており、小倉との相性も悪くない。昨年2着のベルーフも穴でマークが必要。一息入れた方が走れるタイプでもある。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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