シーズンオフがない中央競馬。年明けから毎週、重賞レースが組まれている。中京競馬が始まる今週も3場で3重賞だ。

 興味深い一戦は1月15日の日曜メイン。京都で行われるG2日経新春杯だ。昨年はレーヴミストラルが直線一気の豪脚で差し切ったが、2着のシュヴァルグランはその後に急出世。いまやG1級までに上りつめた。今年も将来性のある馬が揃って見逃せない一戦である。

 期待値が高いのはキンカメ産駒の3頭だ。種牡馬キングカメハメハは昨年も2位に終わったが、ディープインパクトとともに2大勢力を堅持。万能型として今年も重賞戦線で重要な位置を占めそうだが、ここ出走予定の3頭はいずれも末脚自慢の馬ばかりだ。

 まず、昨年の勝ち馬、レーヴミストラルは松田博厩舎の引退で、現在は高野厩舎に転厩しているが、昨年の切れ味は見事だった。4角でも、まだブービーの11番手。それを大外からの一気差しだ。レース上がりの2Fが11秒8-11秒6のラップだから破壊力は相当なもの。自身の上がり3Fは33秒1だった。3歳時のG3青葉賞勝ちも2400メートルだったが、その脚質からもこの距離がベストなのだろう。

 ただし、連覇への条件は、やはり仕上がりだ。今回は昨春の天皇賞以来だから7か月半ぶり。栗東トレセンでの初時計は12月18日の坂路58秒6。21日には併走で54秒5とピッチを上げているが、脚質と同じでエンジンが温まるのに時間がかかるタイプ。舞台適性を考慮しても今回は▲あたりが妥当だろう。

 ミッキーロケットも今年が楽しみなキンカメ産駒だ。昨年は夏の北海道シリーズで上昇。2勝2着1回のあと挑戦した神戸新聞杯でサトノダイヤモンドにクビ差迫る2着に好走した。菊花賞は5着に敗れたが、本質的に3000メートルは長いのだろう。ゲートは上達していたのに道中でかなり折り合いに苦労していたからだ。その意味では2走前の2400メートルに戻る今回は期待度が増す。

 さらに可能性を感じさせるのがクリプトグラムだ。じっくり育てる藤原英厩舎。明け6歳でキャリアはまだ9戦。休み休みで使い[5・2・0・2]という戦績だ。

 一気に花開いたのが昨春だ。1000万特別、格上挑戦のオープン特別を勝ち、初重賞挑戦になった目黒記念も制して3連勝を達成した。いずれも中団位置からの差し切り。今回はその目黒記念以来だが、仕上げには定評がある厩舎。勝てば天皇賞・春の有力馬になる。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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