フェブラリーSというとコパノリッキーの単勝万馬券がいまだ記憶に新しいが、同馬のような激走はかなりの例外的存在。基本的には常識にかかる馬が馬券にかかることが多く、好配当は「人気の盲点」となっていた馬による場合が多い。

 というのも、そもそもフェブラリーSは前走好走馬が強いからだ。過去10年、フェブラリーSに出走した馬のうち前走1~3着だった馬は[8・7・9・55]。それに対して前走4着以下だった馬は[1・2・1・73]で馬券に絡んだ馬は4頭のみ。1着馬が計9頭しかいないのは前走が川崎記念取り消しだったヴァーミリアンがいるためだが、同馬は川崎記念のさらに1走前だった東京大賞典で1着になっていた。つまり前走1~3着馬は実質的には[9・7・9・55]ということだ。

 前走4着以下から馬券に絡んだうちの1頭は先述した、14年1着のコパノリッキー。他の3頭はブルーコンコルド、エスポワールシチー、ベストウォーリアで、いずれもそれ以前にG1勝ちがあった。

 特に南部杯やかしわ記念といったマイルのG1で勝ち負けした馬なら前走着順は問われない。逆に、そのクラスの実績がないとフェブラリーSでは厳しい。今年の登録馬では根岸Sの1~3着馬が揃っているが、根岸S組はフェブラリーSでそれほど強くない。特にカフジテイクとエイシンバッケンは、追い込み有利という根岸Sの特徴を生かしてきた馬なので、距離延長がマイナスに働く。

 東海Sからグレンツェントが来ていれば堅い軸だったが回避。当時の2~3着馬は人気薄での激走だったので続けてアテにはしづらい。このように考えると、執筆時点で出否が未定だが◎サウンドトゥルーにいきつく。

 サウンドトゥルーの場合、芝スタートのコースやマイルという距離が不安ではある。ただ、この馬にとって常につきまとうリスクである差し遅れが東京では起きづらいというプラス面もある。調教師はやや出走を躊躇しているようだが、個人的には出てきたら買いたい存在だ。

 以下、○コパノリッキー▲ベストウォーリア★モーニンとG1実績組を並べた。○と★は前走着順の条件を満たさないが、G1馬なら例外になりうるのは先述した通り。○は前年のかしわ記念、南部杯の覇者でありまだ見限れない。

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