プロ野球12球団「ドラフト会議通信簿」一番成功したチームは?の画像
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「早稲田実業の清宮幸太郎に史上最多の指名はあるか!?」「史上初の単独指名なしか!?」という点に注目が集まった今年のプロ野球ドラフト会議。蓋を開けると、清宮には7球団の指名が集まり、抽せんの末に日本ハムが交渉権を獲得。また、単独指名があるかについても、DeNAが東克樹(立命館大)の“一本釣り”に成功したのだが、別の意味での“史上最多”に、会場の記者席は沸いていた。

■ソフトバンク工藤公康監督は、史上最多タイの3回クジで外れ…

「史上最多タイの3回クジで外れたソフトバンクの工藤監督と、“外れ外れ外れ1位”で同球団に指名された吉住晴斗投手(鶴岡東)です(笑)。3回目の抽せんでも、どよめきが起こりましたが、吉住君が指名されたときも、“誰だ、誰だ!?”って、ざわつきましたね。多くの記者がノーマークでしたから」(会場で取材をしていたスポーツ紙デスク)

 だが、この吉住投手、実は最速149キロの速球を投げる本格派。甲子園での登板は2年時に1イニングだけだが、ひそかにスカウト陣からの注目を集めていた投手なのだ。「現在の投手陣が盤石のソフトバンクですから、将来性を買ったんでしょう。若手の育成に定評のある球団だけに、3年後が楽しみな選手ですね」(前同)

■DeNAは立命館大学の東克樹を一本釣り

 12球団の思惑が交錯した今回のドラフトで、バッチリの補強ができた球団は、どこだったのか。7球団競合の末に清宮の交渉権を獲得した日本ハムに加え、田嶋大樹投手(JR東日本)、中村奨成捕手(広陵)を1回目のクジで引き当てたオリックス、広島はもちろん及第点だが、「東を一本釣りできたDeNAが、一番いい補強ができたんじゃないかな」と語るのは、ベテランの野球記者。

●清宮幸太郎から指名を切り替え

「DeNAは当初、清宮に行くともいわれていましたが、本音は、どうしても投手を補強したかったんです。そこでスカウト陣は、田嶋の指名に切り替えたんですが、高田繁GMの鶴の一声で東の指名に変更。実は高田さんの評価は、田嶋より東のほうが断然、高かったそうですよ」(前同)

 最速152キロの大学ナンバーワン左腕の単独指名は、まさに願ったり叶ったりだったようだ。

■ロッテと阪神も上々のドラフト

 ほかにも、清宮は逃したものの、安田尚憲(履正社)を“外れ1位”の抽せんで引き当てたロッテと、馬場皐輔(仙台大)を“外れ外れ1位”の抽せんで引き当てた阪神も、上々のドラフトだったと、ベテラン記者は言う。「チーム防御率が12球団ワーストの4.22だったロッテは、投手の補強が急務であるのは間違いないんですが、実は、岡田、荻野、角中、清田など、野手の主力のほとんどが30代。将来の主軸は喉から手が出るほど欲しかったはず」(同)

 また、馬場に関しては外れ外れ1位だが、「最速155キロの豪腕がここまで残っていたのは奇跡ですよ。なんだかんだで阪神には内野手がいますから、清宮や安田よりもいい補強だったのでは……」(同)

 悲喜こもごものドラフトだったが、実際の評価はシーズンが始まってから。ドラ1以外にも、どんな選手が活躍するか目が離せない。

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