籠池諄子
籠池諄子

 大阪拘置所から拘禁300日の間に出した手紙は400通。森友事件で注目を集めた籠池諄子氏(61)の獄中記『許せないを許してみる 籠池のおかん「300日」本音獄中記』(双葉社)が10月17日より発売される。

「接見禁止措置がついており、肉親と会うこともできないため、独房で自らの心の叫びを文字にして弁護士さん宛てに送り続けました。その手紙の一部をこのたび、『獄中記』として一冊にまとめることにしたんです」

 本誌の直撃に諄子氏は、そう語った。発売前の同書の内容を独占公開する――。

 森友学園騒動では、安倍首相は「私や妻が関係していたならば、間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」(17年2月17日。衆院予算委員会)と答弁した。これについて、諄子氏は次のように綴っている。〈菅(義偉)さんは会見で「この問題を大きくしたのは政策議論に集中しない野党と些末なことを書き立てるメディアのせいだ」とことあるごとに主張した。違う、違う。この話題を必要以上に大きくしたのは、ほかならぬ安倍さんご本人。理財局の佐川局長の答弁がウソであったことも、露呈している。ここまで政府関係者がウソにウソを重ね、誠実な答弁ができない立場に追い込まれたのも首相の答弁のせい。〉(同書・17年10月4日の手紙「人目にさらされ続けた8ヶ月」より抜粋。以下同)

 安倍首相の総裁3選を経て、この9月に誕生した第4次安倍改造内閣。夫妻は、どんな思いで見ているのか。

泰典(以下=泰)「閣僚名簿を見たけど、やっぱりお友達ばっかりですね。自分に刃向かわない人ばかり囲っている。後継者は加藤(勝信)総務会長や稲田(朋美)副幹事長ですか? 他におらんのですかね?」

諄子(以下=諄)「稲田さんは、ご夫婦で昔からよう知ってます。獄中記でも結構書いたけど、あの方はホンマ、国家観がない人です」

泰「拉致の担当大臣を(菅)官房長官に兼任させるなんて、もってのほか。安倍さんは“拉致問題が一丁目一番地”なんて言ってますけど、網走番外地に放り出したようなものです。解決する自信がないんでしょうね」

諄「だいたいトランプさんの自宅でご飯を食べたり、別荘へ行ってゴルフなんかするから舐められてしまう。日本の総理大臣としての気迫と矜持がないんですよ」

泰「そうそう。安倍さんは今までの総理と全然違います。一線を越えてしまっているのに自分自身、よう分かっていません」

諄「この前、袋のお菓子を買うたら、見た目の3分の1しか中身が入ってなかったんですよ。安倍さんの“見せかけ政治”が小売業者にまで広がっている。見た目は一緒でも中身はスカスカ。これは大変なことですよ」

泰「困ったら、すぐに国難、国難言うだけですしな」

諄「今年の9月に(自民党総裁選挙で)安倍さんの演説を聞くため上京して秋葉原へ行ったんやけど、前方は地方から動員した党員ばかり。“あんな人たち”を遠ざける魂胆が丸見えでした。後ろのほうにいる人を自民党の旗で邪魔して、見えません。それで女の人が叫んだら集団で罵声を浴びせるとか、首相関係者のやることちゃうと思います」

泰「石破(茂)さんの演説はよかったですよ。でも、安倍さんのは何もかも一方的やったけど……」

諄「いつも気になるんやけど、被災地に行くときの安倍さんの作業服もキレイすぎです。“あんたら、作業したことないやろ。そんなら体裁だけ繕わず、寝袋買って現地で寝てみなさい”と言いたいですわぁ」

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