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本郷柚巴の小説家への道もゆずらへんで!

【第17回】 反則のオンパレード【三題噺編part.3】

いつも全力~!   
 
元気!(100%)
笑顔!(100パー!)
果汁~!!(オーッ!!)
せ~の……100パー!!!!
小説家への道もゆずらへんで!(フゥー)
NMB48チームNの15歳、本郷柚巴です!

『反則のオンパレード』の続きです!

 前回の第16回では、『反則のオンパレード』の冒頭をお届けしましたが、いかがだったでしょうか? 

「続きが気になる!」という声をたくさんいただきましたので、今回はボリューム増でその続きから。物語が少しずつ動き出します! 「破壊」「大人」「プレゼント」は出てくるのか! 


 10分も歩くと、目の前に校舎が現われた。それは彼がこれから通うことになる中学校。まだできたばかりの綺麗な校舎だが、先生たちが正門で元気よく「おはよう!」と挨拶しても、ほとんどの生徒たちは、軽く頭を下げる程度か、完全に無視して、誰もいなかったことのようにしている。

「おはようございます」

  彼は、周囲の生徒に反抗するように、黒いスーツを着た背の高い先生に大きな声で挨拶をした。しかし、黒スーツはずっと俯いたまま返事をしない。

――感じ悪いな。具合でも悪いのか…。

 気になりながらも、そのまま目的地である職員室に向かった。

 ガラガラガラ…。

「すみませーん……あの今日から…転校…」

 眼鏡をかけた大人しそうな女の先生がサッと目の前の長いソファに指を差す。めんどくさそうに、椅子から立ち上がり、彼のほうに向かうと、

「はぁ~い。そこで待っててね~」

 その甘ったるい声に驚き、返事ができないまま彼は黙って座ろうとした。

「ちょっと、キミ返事は…?」

「はいっ!(こわっ、ツンデレかよ)」

 5分、10分……初めて見る生徒がおどおどしているにもかかわらず、先生たちは誰一人、彼に声をかけようとしない。不安でいたたまれなくなり、勇気を出して、ツンデレに声をかけた。

「あ、あの…」

「ん~? どうしのぉ~?」

 ツンデレがデレで答えてきた。

「あっ、あの、僕このままこうしていればいいんですか?」

「う~ん、担任の先生が来るまで待っててぇ~」

その時だった。

ガラガラッ!!!!!
勢い良く扉が開く。
ヅカヅカヅカ…。

 彼に向かって歩いていく、そしてジッと見つめて、

「やぁ。白井海斗くん、おはよう。久しぶり」

 正門で俯いていた黒スーツだ。

――コイツ、担任だったんだ…。あぁ、たしか転校前に親と一緒に面談した時、担任になるって言ってた先生がいたな。

 しかし、海斗は外見を忘れているどころか、名前さえ覚えていなかった。人に興味が無いとゆうか、彼はそうゆう所に興味がない。

 その長身の黒スーツが微笑みながら優しく海斗に声を掛けた。

「白井くん、ごめんね、待たせて。まず校長先生に会いに行こう。付いて来てくれるかな」

 海斗は挨拶を無視されたのに、今になって優しく声を掛けてくるギャップに少し驚き、座っていたソファから直立不動になってしまう。

「いや、大丈夫ですっ! はいっ!」

そんな海斗を見て少し、長身の男は笑ったように見えた。

――案外良い人っぽいな…朝が弱いのか? やっぱり体調が悪かっただけ?

 職員室の奥にある校長室の扉を開けた瞬間、いかにも高級そうな机。革張りの椅子。その椅子に、デンッ! と腰掛け、小太りの眼鏡をかけた校長が海斗を待っていた。

「ん? …あぁぁ…君が我が校に転校してきた白井海斗くんだね。まぁ、我が校もいろいろ問題があったりするけど、生徒達と仲良くしてくれたまえ。担任の末永先生の言うことをしっかり聞くようにね」

 海斗が一礼をすると、校長は研いでいた爪に、フッと息を吹き、削ったカスを自分の息で飛ばす。

――嫌な感じの校長だな。大丈夫か? この学校。

 校長はめんどくさそうに言う。

「じゃ、後は頼んだよ。末永くん」

末永は、ニッコリ笑って、

「じゃ、白井くん。教室に行こうか」

――担任、末永っていう名前なのか。

「はい、末永先生」

 海斗のずる賢さが見えた。末永は、それにまたニッコリ笑い返す。

――つづく

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