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本郷柚巴の小説家への道もゆずらへんで!

【第19回】 反則のオンパレード【三題噺編part.5】

いつも全力~!   
 
元気!(100%)
笑顔!(100パー!)
果汁~!!(オーッ!!)
せ~の……100パー!!!!
小説家への道もゆずらへんで!(フゥー)
NMB48チームNの15歳、本郷柚巴です!

『反則のオンパレード』の転換期!

~これまでのあらすじ~
転校生の白井海斗は、これから通う学校に違和感を覚えていた。感じの悪い校長に先生たち、さらには生徒たちにも登校初日からイジメの洗礼に遭ってしまう。しかし、そんな“反則のオンパレード”な学校で、隣の席に座る聖来を見つけ、微かな希望を見出す。しかし……。

「ただいまー」
学校から帰宅すると、玄関に父の靴があった。
――珍しく、もう帰ってるんだ。

 リビングには、父も母も揃っていて、いつもより豪華な食事がテーブルに並んでいた。
 海斗の母は張り切っていた。
「早く手洗いしてから座りなさいね!」
「どうしたの? このご馳走」
「どうしたって、海斗の新生活のお祝いよ!」
 横にいた父も、
「どうだ? 新しい学校に馴染めそうか!?」
「うまくやっていけそう! 友達も出来たし! 担任の先生もいい感じだよ!」
 海斗は今日あった事は話さなかった。
 そして3人で食事をしながら、ありもしない学校の出来事を海斗は両親に話す。2人の笑顔を見るだけで幸せだった。
――次は上手くやるんだ…。

「本当に楽しそうだな。それはそうと顔どうしたんだ、怪我したのか?」
父からの言葉に海斗は、
「あっこれ? なんでもないよ。引っ掻いた。ところでさ」
  話をさえぎるように聖来の話をする。
 父は真剣な顔で「聖来さんは、優しい子じゃないか、そうゆう友達は大事にしないとな」
「うん、わかってるよ」
「ねぇ海斗? 明日ってお父さんとお母さんの結婚記念日なの」
「あっそうなんだ! おめでとう~」
 海斗は笑いながら冷たく返した。
「ありがとう~。冷たい子ね!」
 海斗は母がテーブルに置かれた空の花瓶を見ながら何か催促してるように思えた。
――いつも迷惑かけてるしな…。

 登校初日、1日が長く感じた。ガラの悪い生徒たち、感じの悪い先生、奇妙なツンデレ先生。そして帰ってきてからも嘘をつかなければならないこと。いつまでも、このままじゃいけなと思いながら、海斗は眠りについた。
 
次の日、騒ついた教室の扉を開けると、やはり冷たい視線。予想通りの展開。
 すると、すぐに何人かに囲まれた。
「とりあえず、俺がこのクラスを仕切ってるから、お前は1番下の階級。わかる?」
 昨日、真っ先に海斗を揶揄した短髪が詰め寄ってきた。
――これも予想通りだ。

 ジッと堪える海斗、ふいに短髪に髪の毛を掴まれた。
「返事しろよ!」
ブチブチブチブチッ!!!!
髪の毛が抜ける音。
海斗は自分を抑えるのに必死だった。

――2日目からコレかよ…洗礼のお礼をしなきゃ。面白くなってきた。これはゲームだ。血が騒いできた。相手が手強いほど熱くなれる。僕を倒したい奴はかかってきなよ。クラス全員か? 相手になってやる。僕の前の学校のあだ名は…
「破壊斗」
《破壊》と海斗を合わせた言葉らしい。僕がつけたんじゃない。みんながそう言ったんだ。おとなしくみえても、一度火が着いたら誰も止められないらしい。でも暴力は好きじゃない。クールじゃなきゃダメなんだ。《大人》が作ったルール。それを守らない子供に、制御できない《大人》。
【そんな学校、このクラスを破壊してあげるよ】
心の中で何度も繰り返す。
ただ何も言わずに俯いて。されるがまま…。

――つづく

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