あのイチロー選手が、メジャーリーガーとして日本に帰って来ることになりました。ラジオ番組の収録で初めて会ってから24年……年は僕のほうが上ですが、同じプロとして尊敬しているし、ひかれる部分がたくさんあります。

 そうですね、彼をひと言で言い表すと“真のプロフェッショナル”。彼ほど、アスリートという言葉が似合う選手はいないと思っています。一年に一度、たわいもない話をしながら一緒に食事をして、おいしいお酒を飲む――その時間が楽しくて仕方ありません。

 ゴルフにも行きます。野球は左だけど、ゴルフは右打ち。ふだんは150キロを超えるボールを打っている彼が、ミスショットをすることもあって。なんで止まっているボールが打てないんだろうと思うと、笑いが込み上げてきます。

 そうそう、一度だけ、神戸での自主トレに参加し、キャッチボールをさせてもらったこともありました。ただ、なんたってイチロー選手といえばレーザービームですからね、ボールを受けるたびに手のひらがジンジン痺れて。野球というのがあんなに痛いものだとは、あのときまで思ってもいませんでした(笑)。

 一時期、騎乗の拠点をアメリカに移したときは、ずいぶんと助けてもらいました。といっても、直接、何かをしてもらったわけではなく、競馬関係者に、「イチローと友達なんだ」というだけで、僕を見る目が変わるんです。“タイガー・ウッズとラウンドしたことがある”と、“イチローと友達”という2つのフレーズは、北斗神拳の秘奥義のようなものでした(笑)。

 20日、21日、東京ドームで行われるアスレチックスとの開幕2連戦で、45歳になったイチロー選手が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか!?  今からワクワクしています。

■今週はG1高松宮記念!

 もちろん、15日に50歳になった僕も負けていられません。今週の土曜日は中山で開催されるG2日経賞、日曜は中京でG1高松宮記念に参戦。パートナーは、日経賞がメイショウテッコン。高松宮記念は、モズスーパーフレアの予定です。

 前走、日経新春杯に出走したメイショウテッコンはスタートで出遅れ。それでも前半はうまく折り合い、ペースが落ちたところで一気に仕掛けたときには、一瞬、「ハマった!」と思えるほどの競馬でした。メイショウテッコンにとっては「今度こそ!」です。

 高松宮記念に出走するモズスーパーフレアは現在、オープン、G3を連勝中。先手をとって、そのままスピードに乗ったときの走りは、大仕事をしてのける能力を十二分に持っています。

 インティとともにつかんだフェブラリーステークスに続く、G1・2連勝。そして、50歳でのG1勝利へ。イチロー選手の存在が僕に刺激を与えてくれるし、その逆に、イチロー選手に刺激を与えられるような騎手でいたいと思っています。

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