山根明
山根明

Q.愛想はいいほうですが、そのせいか威厳がないのが悩みです。部下にビシッと注意したくても、やんわりとしか言えず、聞き流されることもしばしば。ナメられやすいからか、無理難題を押しつけられることもしょっちゅうです。人から嫌われず、一目置かれるためには、どんなことを心がければよいですか?(福岡県・男・44歳・営業)

 この方は人間が良すぎるね。だから仕事のこと以外、部下とは会話せずに無口になること。あんまり、ぎょうさん会話とかしないように。“あら、部長がえらい急に変わったな”と言われるくらい、重みをつけるいうことが大事ですよ。軽すぎるんじゃないかな。仕事以外の話はせんほうがいいけど、かといって、部下に対して偉そうに押さえつけるんじゃなくて。かわいがるのはいいんですよ。だけど余計なことを言わんようにして、無口になるように。無言ですね。それが一つの作戦じゃないかな。

 人によっては、その人が何かひと言言っただけで、相手側に威圧がかかったりする。重みのある人と、重みのない人がいるわけですね。一から十までしゃべっても重みはない、ね。まあ、僕は自分のこと言うのはアレですけど、今までの経験では「会長から何か言われたら、もう返答ができません」って言われました。僕は威圧をかけたりしてないんですけどね。

 何もしてないんやけど、ひと言で物事が済んだりするいうのは、やり方一つ。普段の会社生活での振る舞いによって変わります。一年、二年じゃないですよ。何年か無口を通すべきです。大変や思いますよ。だけど、この方は悩みを相談するぐらいですから。悩みを持ってるんやったら、解決するためには、その程度の辛抱しなくては駄目ですよ。

 僕の場合は昔から、持って生まれたものがあってね。そもそも会話しないタイプだったんですよ。だけど法人(日本ボクシング連盟)の会長になってからは、もっと率先して、物言ってあげたんですけどね。それが、かえって良くなかったね。そのままの、持って生まれた地でいって良かったんやけどね。法人の会長になって、下のもんに対して優しさを出したりしたことは、マイナスになったと思う。無理矢理に下のもんに声をかけてやったりした愛情が、逆効果になったと今となっては反省しております。

 それって重要ですよ。表現ひとつで、相手がナメるかナメんかいう価値観だってありますから。表現いうのは、気をつけて使ったほうがいいと思います。

 無口になっても「○○君、たまには、お茶でも飲もうか」と。ほんで、お茶をご馳走してやるとか。そこ行ったかて、そんなに会話せずにして、「頑張りや」とか簡単な言葉をかけてね。自分から誘って、食事を接待してあげて。まったく無口になってもうたら、「あの男、なんや最近」って、こうなりますから。アメとムチなんですよ!

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