――リオデジャネイロオリンピックの陸上4×100mリレーで銀メダルを獲得した日本。その強さについて、「日本人は“後ろの気配”を感じることができる民族だから」という説がある。そして、「怪談和尚」と呼ばれ、『怪談テラーズ』(MONDO TV)など、さまざまなメディアにも登場する三木大雲住職によると、「後ろの気配を感じる日本人の民族性」と「心霊現象」は関連しているというのだ!
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日本の陸上選手って、リレー強いじゃないですか。バトンもらうとき、日本は世界一うまい。なぜかっていうと、日本人は「後ろの気配」を感じることができる民族なんですって。ところが、他の国の人たちはそれを感じられないので、バトンパスの仕方を日本に学びに来たりもするらしいんですが、「足音とか後ろの気配でだいたい分かるじゃないですか」というのは通じないそうです。
日本人が後ろの気配を感じることができる理由は、「和」を重んじるからだと思いますね。個人主義ではないので、「あの人はどう思ってるだろう」とか、気を使いますよね。「気配」って、「気を配る」と書きますが、気を配る民族なので、そういう感知能力が高いんでしょうね。
■骨肉腫で亡くなった松本崇君の手が!
この「後ろの気配を感じる日本人の民族性」は、実は「心霊現象」とも関係していると考えられます。例えば私の場合、怪談の原稿を書いているときなんかに行き詰まると、後ろに立つ人がいるんですよ。それで、いつも振り向くんですけど、誰もいない。気配だけ感じる。また、執筆に戻ると、すごく筆が進むんですよ。なんかね、私に教えてくれているような気がしますね。
この人はおそらく、「松本崇君」だと思います。彼は、うちのお寺によく通っていた男の子でして、骨肉腫で24歳のときに亡くなりました。私がなんとなく松本君かなと思って、「ちょっと松本君、原稿に行き詰まってるけど、どうしよう」って言うと現れたりすることもあるんですね。
で、ある日、私が後ろに気配を感じたときに「松本君、お母さんが会いたがってたよ」って言ったんですよ。そしたら、次の日のお昼頃に、そのお母さんから「息子が今、家に戻って来ました」と、電話がかかってきたんです。「どういうことですか」って聞いたところ、お昼のテレビ番組『ごきげんよう』を見ているときに後ろから誰かがバッと抱きしめてきたそうです。
お母さんは、その抱きしめられた腕が間違いなく息子だと思って「離さないでおこう」と、手をガッと握りました。そしたら、「痛い、痛い」って言ったんですって。その声も息子で、「あ、ごめん、強く握りすぎた」と言って緩めたところ、フッとその気配が消え、振り向いたら誰もいなかったそうです。お母さんは電話口で「あれ、完全にうちの息子でした。こんなことが実際あるんですね」と言っていましたね。
今、うちで実験的に、人が通ると感知して光るセンサーをつけているんですよ。松本君がお寺に来ると必ず座っていた場所があるんですが、そこにセンサーをつけてみたら、夜カチカチ光るんです。「あ、松本君来てるな」と思いながら、仏の道に勤しんでいます。
三木大雲(みきだいうん)日蓮宗光照山蓮久寺(京都)住職。1972年生まれ。京都市の寺院の次男として誕生。立正大学仏教学部卒業。『怪談グランプリ』(関西テレビ)優勝。『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ)『お坊さんバラエティぶっちゃけ寺!』(テレビ朝日)などに出演。老若男女を通じて三木住職の法話“怪談説法”が大人気。
●『怪談(ストーリー)テラーズ』#25・7/18(木)、#26・8/1(木)、#27・8/15(木)午後11:30~深夜0:00他。