日増しに、コロナ禍が拡大しています。3月29日には、アイーンベル、ダイジョブダアなどの馬主でもあった志村けんさんが、お亡くなりになりました。4月3日には、阪神競馬場の調整ルームで業務を行っていたJRA職員の感染が判明し、接触が疑われる3人のジョッキーが4、5日の騎乗を取りやめになるという事態に……。

 土や砂を被るので、ジョッキーは1レースごとに、手洗いとうがいをするのが習慣になっていますが、僕が会長を務める日本騎手クラブでは、安全対策をさらに一段強化。念には念を入れて、レースのとき以外は、原則マスク着用で、臨むことにしました。

 だいぶ慣れてきたとはいえ、やっぱり、無観客での競馬は寂しい。スタンドが揺れるような興奮や、熱い声援、痛烈なヤジも含めて、すべてがそろってこその競馬です。

 とはいえ、いまだに試合のめどが立たない、野球やサッカーに比べたら、毎週末、きちんとレースができているだけでも、ありがたいことです。なによりも馬の体調を気遣う厩舎関係の皆さんや愛馬が走る姿をその目で見ることができない馬主さんたち、JRAの職員、そして僕ら騎手は、楽しみに待ってくれているファンのために、この競馬の灯を消さないよう日々、努めています。あのときは、大変だったよね。と、いつか笑って話せる日が来るまで、みんなで、一致団結して、頑張りましょう!

 ラッキーライラックがG1大阪杯を制した4月第1週の競馬で、僕が挙げた勝利は一つだけ。でも、この一つが、明るいニュースになりました。3歳未勝利戦、ダート2000メートル。勝ったのは、エブリワンブラック。そうです、あのキタサンブラックの全弟です。6戦目での初勝利。デビューからずっと手綱を取ってきた僕にとっても、思い入れのある一頭で、うれしさも格別です。ここまで、だいぶ、てこずりましたが、この日は、ゲートの出も良かったし、道中の行きっぷりも、なかなかのもの。最後の直線では、コブシを握りしめながらテレビ観戦している方の「ヨシッ!」「そのまま!!」と叫んでいる声が確かに聞こえていました。

 今週末、4月19日のG1皐月賞も、無観客競馬で行われることがJRAから発表されました。皆さんの声は、僕らジョッキーに届いています。その声に応えられるように、全ジョッキーが一丸となって、面白い競馬を、楽しい競馬、すごい競馬をお見せできるよう、全力で騎乗することをお約束します。

 3戦3勝で臨んだ前走、2月16日の共同通信杯は4着に終わりましたが、僕のパートナー、マイラプソディは元気いっぱいです。前走は単なるポカだと思いたい。目指すは、復活Vです! 大きな勲章は手の届くところにあります。

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