名門エイダン・オブライエン厩舎のブルームとともに挑んだフランスのパリ、ロンシャン競馬場を舞台に行われた“世界最高峰のレース”第100回凱旋門賞。

――いつか、このレースを勝ちたい! という夢はかないませんでしたが、この日、この時間、この場所にいることの大切さや意義、喜び、誇らしさを改めて感じることができた一日になりました。

 前日から降り続いた雨のせいで、ターフには水が浮き、馬場状態は重馬場というより超重馬場です。スタートはやや出負けしたものの、「前に行かないとチャンスはない」とエイダンにも言われていたので、すぐにリカバリー。

――行く馬がいなかったらハナに立ってもいい、というくらいの積極的な気持ちで、前半はレースを進めましたが、途中、アダイヤーとクロノジェネシスがかかり気味だったこともあり、途中から、2頭のすぐ後ろにポジションを下げました。今、思い出しても、理想的な展開、ベストポジションだったと思います。

 レース前、フランキー(L・デットーリ)とライアン(R・ムーア)が、口をそろえて「乗りやすい馬だよ」と言っていた通り、ブルームは僕の指示に素直に従ってくれて、ここまではほぼ完璧です。ただ、最後の直線に入るあたりで、手応えが徐々に怪しくなり、直線半ばでは、ほぼ余力は残っていませんでした。

 悔しいかと問われれば、もちろんです。でも、それ以上に、この場所にいられたことに、このレースに出られたことに、スタンドを埋めたファンの前で、いいレースができたことに、誇らしさを感じました。

 騎乗するとき、エイダンが足を上げてくれたことも、レース後、「グッドレース!」と言ってもらえたことも、忘れられない思い出になりそうです。

――来年も再来年も、この場所にいたい。何歳まで騎手を続けられるか分かりませんが、この強い思いがモチベーションになりそうです。

 勝者はドイツ馬のトルカータータッソ。ディープインパクトの血を受け継いだスノーフォールは6着。大きな期待を背負って日本から参戦した2頭、クロノジェネシス(7着)、ディープボンド(14着)も世界の壁に跳ね返され、悲願達成は来年以降に持ち越しです。

 それでは、今週の騎乗馬です。海外からの帰国者に要請された14日間の待機期間が10日に短縮されたことで、17日に阪神競馬場で行われるG1秋華賞にも参戦することができそうです。

 騎乗依頼をいただいたのは、キズナ産駒、斉藤崇厩舎のステラリア。13着に終わったオークスから直行で挑む大一番になります。最大の難関は無事に抽選を通るかです。京都から阪神に舞台が変わったことで、フルゲートが、2頭減の16頭となり、抽選対象馬のステラリアが出走できる確率は、現在のところ4分の3です。ただ、競馬の神様に祈るだけです。

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