2006年の皐月賞と日本ダービー、07年の天皇賞春秋連覇と4つのG1タイトルを手にしたメイショウサムソンが、種牡馬を引退し、功労馬として第三の馬生を歩むことになりました。

 彼のデビュー戦で手綱を取ったのは、“敬愛する”という表現より“大好きな”という言葉のほうがピッタリの先輩、石橋守騎手(現・調教師)です。初勝利を挙げたのは3戦目。その後も勝ち負けを繰り返し、クラシックまでの道のりは決して順風満帆だったわけではありません。皐月賞と日本ダービーの二冠を制することができたのは、勝ったレースはもちろん、負けたレースを糧にして、馬との信頼関係を築き上げていった勝負への執念、騎手の矜恃だったような気がします。

 その石橋さんから僕が手綱を引き継いだのは、凱旋門賞への挑戦が決まった07年夏のことでした。この年の凱旋門賞挑戦は、馬インフルエンザの影響で諦めざるをえなかったんですが、メイショウの冠名で知られる松本オーナーからこのお話をいただいたときは、すごく緊張したのを覚えています。

 初コンタクトは、同年に行われた天皇賞(秋)です。石橋さんから、いろいろとアドバイスをいただいたこともあって、当日は自信を持ってレースに臨むことができました。

――勝てる! 自信を深めたのは直線半ばを過ぎたあたりです。競馬は最後の最後まで、何が起きるか分かりません。それまで数多くのレースを経験し、快哉を叫んだことも、あまりの悔しさに奥歯をギリギリと噛み締めたこともありました。それでも、馬群を抜け出した後、メイショウサムソンが見せてくれた伸び脚は、どこまでも軽やかでレースを楽しんでいるような走りでした。

 現役引退後、種牡馬としてもデンコウアンジュ、フロンテアクイーン、ルミナスウォリアーなど重賞ウイナーを輩出した彼は、この後、北海道日高町にある『ひだか・ホース・フレンズ』で、功労馬として余生を送ることに。コロナ禍ということもあり、いつとは約束できませんが、いつか、石橋さんと一緒にメイショウサムソンに会いにいきたいと思っています。そんな彼にいい報告を届けるためにも、今週末のレースに全力騎乗です。

 11月14日の日曜、阪神競馬に参戦。新馬戦は、イスラボニータ産駒のレッドデクスター。メインのG1エリザベス女王杯は、昨年9月以来となるデゼルをパートナーに、逆転の一発を狙います。ヴィクトリアマイル、府中牝馬Sと2走続けて大きく負けていますが、彼女の力を信じて、最後の最後まで目いっぱい追い続けます。応援よろしくお願いします。

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