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“倍返し”は死を招く「半沢直樹VS中国汚職銀行」もし戦わば… vol.2

[週刊大衆11月04日号]

なにしろ、「あらゆる経済指標を粉飾し、GDPで日本を抜いて世界2位の経済大国になったのも大嘘」(中国事情通)という疑惑のある国。毎月発表される貿易統計のプラスの数値が、当局がガサ入れを発表した途端に14分の1に激減した(今年6月)のが、その何よりの証拠だろう。

「四大銀行でも、国際的な格付け会社に対して、粉飾で水増しした決算書を見せるケースが珍しくありません。国有銀行に出資している外国企業の担当者はまず、会計基準のいい加減さに驚くようです」(宮崎氏)
さらにさらに……。「中国の銀行は、党と軍の経理部門にすぎません。"銀行の意思"は、党と軍が握っているようなもの。いわば銀行は、幹部の財布代わりなんです。したがって、党や軍幹部へのデタラメな融資が日常的に行われることになります。それをごまかすために、決算内容を粉飾せざるを得ないんですよ」(人民解放軍に詳しい軍事評論家の古是三春氏)

日本では銀行の不正行為に対して、金融庁が目を光らせている。『半沢直樹』では"おネエキャラ"の金融庁主任検査官・黒崎(片岡愛之助)が、半沢とバトルを繰り広げた。
「中国でも国務院(日本でいう内閣)の中に金融機関を検査する機関があります。一定間隔で検査を実施していますが、それでも業務改善や営業停止処分が出されることは滅多にありませんね」(前同)
粉飾決算が横行するうえに検査も適当。そもそもバンカーとしてのモラルが存在しないため、当然、預金者に対するモラルもない。
大手4行の中でトップの中国工商銀行では、行員が複数の預金者の口座名と口座番号、パスワードを売り渡していたことが発覚。「日本でもスキミングなどで犯罪集団にカード情報が抜き取られるケースはあるものの、さすがにメガバンクの行員が、預金者の口座情報を意図して売り飛ばすことはあり得ませんね。銀行の存続に関わる一大事となりますから」(日本の地方銀行支店長)

さらに、今年5月には中国農業銀行の楊コン副頭取が逮捕される事態を招いた。
「容疑は明らかになっていませんが、副頭取はマネーロンダリングに関与した疑いが濃厚です。楊氏はマカオのカジノで日本円にして500億円スッた過去があり、その穴埋めにカジノを通じて資金洗浄(マネーロンダリング)を行っていたようなんです。マカオのカジノは、賄賂などのカネを洗浄する目的で、中国の高級官僚が頻繁に利用しているんです」(前出・金融筋)

こうした金融界の不正に拍車をかけているのが、中国全土に乱立する「シャドーバンキング(影の銀行)」だ。
ただし、影の銀行を生み出したのは、他でもない四大銀行を中心とした巨大銀行だという。
「たとえば、トップの中国工商銀行の行員数はおよそ40万人。これに対して日本のメガバンク・三菱東京UFJ銀行でさえ行員数は4万人足らず。日本の銀行なら人件費が払えず、とうに破綻しています。それが潰れないのには、カラクリがあるんです」(宮崎氏)
中国の17の上場銀行は、融資先の99%が国有企業。
つまり、焦げつかない企業だけに融資している。したがって、いくら党や軍の幹部に乱脈融資しても、日本のメガバンクの10倍の行員を養うことができるのだ。

その一方で、「中国では、国営・国有以外の(民間)中小企業が資金を調達できず、事業展開が進まなくなりました。そこで79年に"融資平台"という制度ができたんです」(国際問題評論家・小関哲哉氏)「平台」というのは拠点を意味する中国語。中国の各地方政府が拠点となる会社(平台=プラットフォーム会社)を作り、17行から資金調達できない民間企業などに貸し付けているのだ。
「これがシャドーバンキングの原型で、その金主は巨万の富を持つ特権階級。シャドーバンキングは、富裕層から高金利で資金を調達しているんです」(前同)

アメリカの格付け会社の統計によると、いまやシャドーバンキングの規模はGDPの55%までに急成長しているという。中国の名目GDPは約800兆円だから、実に440兆円がシャドーバンキングがらみのカネとなる。
「多くのシャドーバンキングは、理財商品と呼ばれる高利回りの金融商品を販売し、資金集めしています。高利ゆえにリスクも高く、すでに5割程度が不良債権化していると言われ、中国経済崩壊の根拠とされているんです」(金融筋)

440兆円の半分は220兆円。
日本のバブル期の不良債権が約150兆円だったので、それを大きく上回る金額だ。
「高い金利を支払うためには当然、高金利で貸し付けます。私の知り合いの江蘇省出身の女性社長は、年30%の高利を払いきれずに先日、夜逃げしてしまいました」(上海在住の日本人ビジネスマン)
夜逃げするのはまだましなほう。同じ江蘇省では、飛び降り自殺まで起きているという。犠牲になっているのは日本でいう中小やベンチャー企業の経営者たちばかり。その一方で、銀行を支配する党の幹部や富裕層は懐を肥やしているのだ。

10月30日公開のvol.3に続く・・・。

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