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「50歳からの後悔しないがん保険」最新完全ガイド vol.1

[週刊大衆11月04日号]

厚労省が毎年発表している最新の『人口動態統計』によると、日本で昨年、がん(悪性新生物)で亡くなった人は36万790人。これは全死者数約125万6000名の3割近くを占め、死因の第1位となっている。そして、その割合は年々増加の一途をたどっているという。
医療ジャーナリストの牧潤二氏が補足する。
「昭和50年半ばまで、日本人の死因第1位は脳梗塞などの脳血管疾患でした。しかし、医療技術の発達でその数は減り、死因の1位はがんに替わりました。現在では、第2位の心疾患の1・8倍と、ダントツの多さです」

それにしても、なぜ、がんがこれほど台頭してきたのか? それは日本の高齢化と密接に関係している。
「がんは本質的に老化と関係した病。年齢が上がるにつれて、罹患率も上昇していきます」(専門誌記者)
国立がんセンターのデータによれば、男性のがん罹患率は50歳を境に跳ね上がる。
罹患率が40歳で2%、50歳で5%であるのに対し、60歳では14%、70歳では26%にも達するのだ。
「総合すると、いまや男性の2人に1人はがんに罹る時代です。一方、生活の西洋化が進んだこともあり、がんの種類にも変化が見られます。男性で見た場合、現在でも胃がん患者数が最も多いんですが、胃がんの4倍もの増加率を見せているのが、前立腺がん。これに続くのが3倍以上の結腸がん、そして肺がんです」と解説するのは、保険会社向けセミナーから、最新医療や治療施設の紹介まで、がんに関するあらゆる相談に応じる医療コンサルタント会社HMC(東京都中央区)の吉川佳秀取締役だ。

同氏はまた、近年のがんの治療事情も変化していると語る。
「がんに関しては、現在でも1.外科手術、2.放射線療法、3.化学療法(抗がん剤投与)の3大治療が基本となっています。ただし、医学の発達で、1.については、以前は患部の全摘出が当たり前でしたが、摘出の範囲を縮小・温存するようになりました。2.は従来のX線より患部をピンポイント攻撃できる素粒子線が用いられるようになり、3.も健康な細胞へのダメージが少ない抗がん剤が登場しています。さらに、これら3大治療に次ぐ第4番目として、さまざまな遺伝子治療療法も登場しているんです」

がんに対抗する手段が増えるのは喜ばしいが、実際に、その治療を受けられるかは別問題だという。
「理由は大きく3つ挙げられます。1つ目は最新治療を行う施設が限られていること。2つ目は一般病院の最新医療への理解がいまだ乏しいことと、診療ガイドライン(治療をしたデータに基づく)が確立しつつあること。3つ目は健康保険が効かない、または効いても高額で経済的な負担が重いことです」(前同)

厚労省は将来の保険指定も見据えて、約110種類の「先進医療」を認定しているが、その中の約3割ががんに関するものだ。樹状細胞または抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法、乳がんへのラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法、食道がん術後の食道狭窄(きょうさく)に対するステント留置術など、特定のがんに対するものが多いが、さまざまながんに有効なものもある。

その代表格が「重粒子」「陽子線」を使った放射線療法だ。
「ピンポイントで照射できて、従来の放射線療法に比べて治療効果が非常に高い。切らずに済むため、体への負担が軽い。副作用がない、入院の必要がないなどのメリットがあります」
こう解説するのは、消化器・呼吸器外科の専門家として多くのがん患者の治療をしてきた吉田治医師だ。
同医師は現在、「日本遺伝子治療医学研究会」理事として、がんの遺伝子治療にも取り組んでいる。
「遺伝子は常に損傷され、それを修復している。がんは、この修復が追いつかず損傷が蓄積して発生する。正常細胞では、この蓄積に対して、がん抑制遺伝子が働き、自己自滅します。しかし、がん細胞では、このがん抑制遺伝子が機能せず、無限増殖を続ける。がん遺伝子治療はがん抑制遺伝子を導入して、がん細胞を死滅させる非常に有望ながん治療のひとつです。米国では政府自体がこの治療法を認め、大きな効果を上げています」(前同)

すべてのがんに有効で副作用が少ない。また、抗がん剤や放射線療法の効果を増強するため、抗がん剤の使用量を減らすこともできるという。
「しかし、この遺伝子治療は現状、わが国では厚労省の認める先進医療に入っていません。もちろん保険の対象ではなく、治療費が全額自己負担になる自由診療のうえ、ごく限られた病院でしか行われていない。自分で調べて、自発的に連絡しない以上、保険指定病院の医師が紹介することはまずありませんね。実は、それは先進医療についても同じことが言えるんです」(前出・吉川氏)

先進医療が認められている医療機関は、全国で1234カ所に過ぎない。それは全病院・診療所(約18万)の1%にも満たないのだ。
技術の進歩に対応しきれない現状は、保険に関しても同様だ。先進医療は健康保険の対象外となっており、自己負担額が高額になる。こうした問題をカバーする新たな手段として、現在、脚光を浴びているのが、がん保険なのだ。

11月1日公開のvol.2に続く・・・。

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