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安倍首相の抵抗勢力も…自民党「総勢292人派閥犬猿相関図」 vol.2

[週刊大衆10月21日号]

かつての最大派閥・額賀(福志郎)派(平成研究会)は、竹下派(経世会)の系譜であり、清和会にとって最大のライバル。
春よもう一度とばかりに、ポスト安倍に虎視眈々だという。
「ただし、会長は額賀(元財務相)ですが、本人を除いて、彼が総裁候補だと思っている人はいませんよ」(全国紙政治部デスク)

それどころか、政治評論家の板垣英憲(えいけん)氏によると、「茂木(もてぎ)(敏充)経産相が額賀会長の後釜を狙っている」という。
それに続くのが、小渕恵三・元首相の愛娘・小渕優子財務副大臣だとか。
「彼女は毛並みもよく、派内の推薦も多い。建設族などの族議員が多い額賀派としては、女性の領袖誕生でイメージがよくなるという計算もあるんでしょう」(前出・関係者)

同派の不安材料は、石破茂幹事長との軋轢。
「石破さんは、かつての同門。どの派閥もそうですが、足抜けした人間には"恨み骨髄"なんですよ。去年秋の総裁選でも、額賀派は旧友の石破さんを嫌い、石原(伸晃)環境相を支持したほどですからね。また、族議員が多いため規制緩和に慎重で、TPPを推進する安倍政権と反目。さらに、同じく族議員を多く抱える二階(俊博)派とも利権がバッティングするため、ライバル関係にあります」(前同)

党内第3勢力は、池田勇人・元首相の流れをくむ名門・宏池会。
ただし同派は、加藤紘一氏(現・自民党山形県連会長)が派閥を継いでから分裂を繰り返しており、かつての精彩はない。
現在、宏池会の本家は岸田(文雄)派。分家が谷垣(禎一)グループと麻生(太郎)派。
この3派は近親憎悪からか、いがみ合っている。
本家の岸田派は宏池会の伝統でハト派色が強く、憲法改正を悲願に掲げる安倍首相とは水と油。

「安倍首相もそのことがわかっているんでしょう。党内の抗争を封じるため、改憲の議論は先送りにしている状況です」(前出・浅川氏)

このハト派・タカ派の対立に輪をかけているのが、同派の長老である古賀誠・元幹事長と安倍首相。
この2人、誰もが知る"犬猿の仲"だという。
「8月に古賀氏の発案で、派閥議員らとスピルバーグ監督の『リンカーン』の上映会を開きました。この映画は、奴隷制廃止に反対する議員たちをリンカーンが説得していく様子を克明に描いたもの。その真意は、憲法第96条の改正を目指す安倍首相への当てつけですよ」(町村派関係者)

その古賀氏は、9月17日に行われた派閥研修会後の懇親会でも、「(安倍政権の)受け皿の野党が見当たらない限り、宏池会が受け皿になることが日本の政治の安定になる」と堂々"党内野党"を宣言。
安倍降ろしに血眼なのだ。

一方、分家の谷垣グループは町村派との対立は目立っていない。
ただ、昨秋の総裁選で再選を狙った谷垣氏を横目に、当時、幹事長だった石原伸晃環境相が"裏切り出馬"した恨みを忘れておらず、"石原派憎し"の念が強いという。
「そんな谷垣グループ内で血気盛んなのが、党農林部会長でTPP参加絶対反対の小里泰弘氏。安倍首相もTPP交渉参加に際し、小里氏にわざわざ電話してきたほど。それだけ気を遣っているんです」(前同)
少数派閥といえども、"鉄砲玉"がいると侮れない。
同じく宏池会分家の麻生派は、新人議員の囲い込みに成功し、この1年で勢力が3倍に膨張。
その余勢をかって、大島(理森)派との合併(麻生派が吸収)を予定しているという。
「大島派と合併したら、43名で岸田派を抜いて党内第3勢力に躍進します。ただ、例の"ナチス発言"で麻生さんの党内評価はガタ落ち。ポスト安倍レースから脱落したと見られています。派閥が焼け太っても、結局、総裁候補は出せず、他派閥の草刈り場になるかもしれません」(前出・記者)

麻生派内で注目されるのが山口俊一財務副大臣。
昨年の総裁選で麻生氏は安倍支持を打ち出したのに対して、山口氏が石破支持に回ったのは「安倍、石破の"両張り"で保険をかけた」(前同)からだとか。知恵者がいるものだ。

その麻生派と合併が予定される大島派のキーマンは、高村正彦副総裁だ。
「高村氏はいまでこそ安倍首相を支えていますが、親中国派でもあり、本音では安倍政権の対中外交とは温度差があります。麻生派と合併すると党内第3勢力となるため、安倍政権に反旗を翻すかもしれません」(前出・デスク)

町村派、額賀派、宏池会系の緒派閥。
これら3派を中心に、党内力学が決定されているわけだが、小粒といえどピリリと辛い曲者集団もいる。
その筆頭が石破幹事長率いる石破派だ。
「今月1日に行われた石破さんが主宰する派閥横断型勉強会"さわらび会(無派閥連絡会とも)"で、"人間が集まれば派閥ができるのが自然"と発言。事実上の石破派宣言と取られています。小池百合子・元防衛相など歴戦のつわものも抱えている」(前出・党関係者)

気になるのが、火花バチバチとされる安倍首相との関係だが、「石破さんは幹事長職に留任。参院選を勝利に導いたことで地位は強固になっており、首相と対峙できるほどになった」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)と、実力が拮抗。
さらに、石破派の山本有二衆院予算委員長が両者の緩衝材になっているのだとか。
「山本委員長は地元・高知の寺に安倍首相と座禅を組みに行く仲。長州(山口県)出身の安倍首相が高知(土佐)を大事にするのは、土佐脱藩浪士の坂本龍馬を、下関の商人・白石正一郎が世話した関係があるからだとか」(前出・中堅議員)

自民党で派閥に所属していない議員は120名程度。
首相との関係を改善し、"無派閥層"を取り込めれば、石破派は大化けする可能性もあるようだ。

10月16日公開のvol.3に続く・・・。

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