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傍聴人も思わず「え~っ!? 」ヘンテコ交通裁判実例集 vol.01

[週刊大衆02月03日号]

運転免許人口は約8200万人。交通取締りは年間約1100万件。
取締りに納得がいかないドライバーと、検挙した警察官の意地とプライドがぶつかり合う交通裁判は時に、とんでもない証言が飛び交う!

これまで約5000件の裁判を傍聴してきた交通ジャーナリストの今井亮一氏に、傑作実例集を聞いた!

Case1-耳を掻いただけで検挙!?
冤罪事件を無理やり正当化! 携帯所持を巡る「マヌケなやり取り」

運転中に携帯電話を使用(道路交通法違反)していたとしてキップを切られた男性が、無実を証明するために警察を相手に起こした民事裁判。
「耳を掻いていていただけ」と主張する原告に警察は……。

「私は長年、こういった裁判を傍聴してきました。裁判官が"取締りは正しく行われていたか"を警察官に尋問し、"正しかった"という証言を鵜呑みにする。このケースも同じだろうと思っていたんですが……」(今井亮一氏=以下同)

実際、原告は弁護士もいないラフな服装の中年男性一人に対し、被告席にはカチッとしたスーツに身を包んだ県警指定の代理人4人。
今井氏も、「おいおい、一人で大丈夫か?」と心配するなか、現認状況について警察官の証言が始まった。

警察官(以下=警)「原告がワンボックス車を運転しながら、左の耳に携帯電話を当てているのをまずフロントガラス越しに、続いて助手席側の窓ガラス越しに、はっきり現認しました」

しかし、原告はその状況を真っ向から否定。

原告(以下=原)「コンソールボックスに左ひじをつき、耳を掻いていただけです」

原告は検挙時から、"携帯はポケットに入っていた"と主張したが認められず、公安委員会への不服申し立ても棄却され、更新時に交付されるはずだったゴールド免許も剥奪された。

「車がスモークガラスだったために警察は見間違えた、というのが原告の主張です。しかし、やった、やらないの水掛け論では警察官の証言が信用されがちです」

しかし、裁判官3人による警察官への尋問が始まると状況が一変する。

裁判官(以下=裁)「(違反現認係の警察官の先にいる)停止係が原告の車を停めるまで見ていた、と。その間、原告はずっと同じ姿勢だったんですか?」

警「はい。そうです」
裁「つまり、携帯電話を耳に当てる姿勢を取っていたということですね?」
警「はい」

「ここで私は"ん?"と思いましたね。原告は取締り中の現認係を見たと証言しています。それを見ていながら、さらに先の停止係に停められるまで通話するマヌケな違反者などいません。一人の現認では弱いと思い、停止係も現認したというストーリーをデッチ上げたのでは、と疑わせる証言です」

続く原告本人への尋問が、さらに追い打ちをかける。
「原告は"通話履歴を調べてくれ"と言ったが、警察官たちは、まったく耳を貸さなかったそうです」

確かに履歴を見れば一発だが、それもしていない。
さすがに、これではマズイと焦ったのか、代理人が突然立ち上がり、ド迫力の口調でこう言い放った。

代理人(以下=代)「耳を掻きながら現認係の横を通れば、"通話している"と誤解されると思わなかったんですかッ?」
原「いや、きちんと見ていれば……」
代「じゃあ、停止係に停められたとき後続車の様子はどうだったんですかッ!?」
原「わかりません」
代「わからないのに停まって大丈夫なんですかッ!?」
原「いや、警察官が停まれと命じましたから……」

「ここまでくるとコントです。代理人は、なんとか原告を追い詰めようとして墓穴を掘りまくり。"誤認しました!"と宣言しているようなものですからね(笑)」

判決は当然、原告の勝訴。

裁「被告は原告に対し、優良運転者である旨を記載した運転免許証を交付せよ」

「警察官の"現認さえあれば違反は成立する"という思い込みが露呈した裁判です。ドライバーにとっては救われる結果ですね!」

01月28日公開のvol.02に続く・・・。

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