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【武豊】チーム・トーセンスターダムで頂点へ

人生に役立つ勝負師の作法 武豊
チーム・トーセンスターダムで頂点へ



野球やサッカーと違い、競馬は個人戦……馬と騎手が一体となって一着を目指す競技です。そこには、馬と馬の純粋な力勝負があり、騎手同士の熾烈な読み合いや駆け引きもあります。

人馬一体……騎手と馬の呼吸が合わないまま、1+1が1のまま終わってしまうこともあれば、すべてがうまく噛み合った結果、3どころか5になることだってあります。

こうやって書くと、いかにも競馬は個人競技のようですが、そうとばかりも言い切れません。

騎手が馬に跨るのは、ほとんどの場合、追い切りのみ。

体の手入れから、食事、普段のレーニングから馬房の掃除まで、まるでわが子同然に世話をしてくれる厩舎や牧場スタッフがいてこその競馬です。

調教師の先生、厩務員さん、調教助手……持ち場、持ち場で、プロフェッショナルな人たちが、プロフェッショナルな仕事をこなし、最後にバトンを渡されるのが僕ら騎手です。

そう考えると、競馬はチームスポーツという一面も持っているわけです。

最後の最後にすべてを託された騎手という仕事に就けたことが誇らしく思えます。

2007年9月23日、GⅡ「神戸新聞杯」。

表彰式に臨んだ僕は、チームスタッフの横顔を見つめながら、そんなことを感じていました。

あのレースで僕のパートナーを務めてくれたのは、ステイゴールドを父に、メジロマックイーンを母父に持つドリームジャーニー。

所属厩舎は、幼なじみでもある池江泰寿厩舎です。

2歳のときに、頂点である「朝日杯FS」を制覇した末脚は、同世代でナンバーワン。このレースが初コンビでしたが、騎乗依頼をいただいたとき、心がざわざわしたのを覚えています。

血統は申し分なし。距離もこなせないほどではないし、底力は有力馬と比較しても5分と5分です。

そんな彼に対して、唯一心配だったのが、気性でした。

しかし本番では、そんな気配すらなく、最初から最後までスムーズ。

一頭だけ次元の違う脚で、気持ちよさそうに走っていました。

『武豊が馬を抑え込む』『豊、見事な手綱捌き』

翌日のスポーツ紙は褒め言葉のオンパレードです。

しかし。決して僕ひとりで掴んだ結果ではありません。気性難を解消するためにはどうすべきか。日々の訓練や日常生活から細かな注意を払って、懸命に努力し続けたスタッフ……チーム・ドリームジャーニーの力が結集しての勝利でした。

今年の「神戸新聞杯」で僕のパートナーを務めてくれるのは、ドリームジャーニーと同じ、池江泰寿厩舎のトーセンスターダムです。

日本ダービーで内ラチに激突、幼さを露呈しましたが、幸い、馬には大きな影響もなく、チーム・トーセンスターダムのスタッフにより、一回りも二回りも成長して帰ってきました。

最後の一冠に向けてどんなレースをしてくれるのか。

ファンのみなさん以上に僕がわくわくしています。


■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】チーム・トーセンスターダムで頂点へ

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