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プロレスファンは「怪物」という響きに反応する。

2014-09-27

プチ鹿島の連載コラム 「すべてのニュースはプロレスである」

「新・怪物登場」。

このフレーズに敏感なのは怪獣映画好きと同じくらいにプロレス好きの人間だろうと思う。未知の強豪にワクワクしてきた経験値が肥大化し、「怪物」と聞けばもうどんなジャンルでもとりあえず見たくなるのだ。プロレスはもちろん、高校野球でも競走馬でもクイズの天才でもいい。将来そのジャンルを背負う予感がする逸材を見ておきたいという欲望。

そんななか「新・怪物」が現れた。逸ノ城である。大相撲秋場所に現れた。

初土俵から5場所目の新入幕で快進撃を続ける逸ノ城(21歳)。12日目の時点で1敗、しかも2日続けて大関から金星を挙げる快挙。

体もでかいが、とにかくあの顔がいい。いや、ツラ構えと言うべきか。私が子どもの頃に「憎たらしいほど強い」と言われていた北の湖を思い出した。普通に存在しているだけで周囲を威圧する顔。ああいう顔は愛嬌を発しないから「強さでしか」相殺できない。無意識の怪物。

今週「りえママ」が亡くなった。りえママの時代、というのは確実にあったからショックだった。そういえば逸ノ城はどこかりえママの風貌にも似ている。あの顔と存在感はやはり一時代を制するのだ。同じ系列でいくと、かつての小沢一郎もそうだろう。あと、顔つきは同じ系譜ではないが圧倒する存在感を放つ顔といえば高校時代の松井秀喜もそうだ。

ついつい、そんなツワモノたちを一緒に思い出してしまった逸ノ城。

さて、この「逸ノ城の出現」の知り方が今風だなぁと思ったのは、私はツイッターで知ったのだ。

「逸ノ城さん、横綱の予感(^o^)」という高田延彦のツイートをまず知った。その数日後、元横綱の朝青龍が「このカキ(ガキ)横綱なるよ!(笑)」とツイートした。

いよいよこれで「逸ノ城を見なくてはいけない」と思ったのだ。久しぶりに相撲中継を録画した。

怪物が怪物たるゆえん。それは、実際に見たら想像を軽々と超えたことだった。あっさりと敗れる大関ふたり。

しかも館内からは歓声よりも「あ~」というタメ息のほうが大きく聞こえた。これってもう、そういうことじゃないですか。

周りを気にせずマイペースで、憎たらしいほど強くなりそうな人が出てきました。

逸ノ城、大丈夫だとは思うがあとは女子アナにだけ気を付けてほしい。心配はそれだけだ。


プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。





「教養としてのプロレス」(プチ鹿島/双葉社)
2014年8月7日発売 新書判304ページ





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ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

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