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気張らない『人間力』 本宮泰風(俳優)

[週刊大衆10月13日号]

気張らない『人間力』 本宮泰風(俳優)

Vシネマのヤクザ映画って切った張ったの世界だから、撮影現場もピリピリしてると思われがちなんですが、まったくそんなことないんです。

千葉真一さん、梅宮辰夫さんとか映画のなかでは、迫力満点の大御所の俳優さんたちも、撮影ギリギリまでバカ話していますから。
女性の話とか、誰とは言えませんが、パイプカットの話をしたり(笑)。

でも、最近はバカ話っていうよりかは、腰痛には、この体操がいいとか、健康の話が多くなってきてるので、ちょっと寂しいですね。

ただ、昔と変わらずカメラが回ってからの瞬発力は半端ないんです。
バカ話をして笑っていても、次の瞬間には、完全に役に入りきっていますからね。

そもそもVシネって1本、4~5日で撮ったりもするので、役作りにかけられる時間も少なく、本当に瞬発力が求められるんです。

台本も撮影当日に渡されることもある。
そうすると、流れだけ把握して本番に挑むんです。僕が台詞をちゃんと覚えても、大先輩達はアドリブで返してくるんですよ。
最初は戸惑いましたけど、お陰でかなりアドリブ力が鍛えられましたね。

ぼく、22歳からこの業界に入って、今はもう42歳なので、20年いるんですが、Vシネの現場では、大御所の方ばかりなので、まだまだ下っ端なんです。
正直、しんどい時はけっこうありますね(笑)。

ぼくはお酒が飲めないんですけど、大先輩たちは、それでも嫌がらずに誘ってくれるんです。正直大変ですよ(笑)。
小沢仁志さんなんか、飲みはじめたら、昼まで飲みますからね。

これはもう、ぜひ書いちゃってほしいんですけど、小沢さんは酔うと説教が始まるんですよ。
でも、10年くらいのつきあいになるんで、わかってきたんですけど、まず、覚えてないんです(笑)。

だから、このくらい酔うと記憶がなくなる人だろうなっていうのがわかるようになったので、最近は説教されながら、テーブルの下でメールを打てるようになりました(笑)。

それで、朝までお酒につきあって、小沢さんを家まで送るんです。
小沢さんとは、常に、一緒の仕事をしているわけじゃないですから、飲んだ日の翌日、小沢さんは休みで、ぼくは寝ずに仕事に行かなきゃならないこともあるんです。

「お疲れ様です」
って挨拶して帰ろうとすると、
「仕事はきっちりやれよ」
とか言うんです。ふざけんなよって感じですよね。
これは本当に書いちゃってください(笑)。

でもまあ、こういうことを小沢さん自身も、若い頃にされてきたわけで文句は言えませんよね。

そういう意味でも、役者って特別な仕事と思われがちですが、普通の仕事と同じなんですよ。
自分がやった仕事が、いろいろな方々に見てもらえていますが、その裏では、地味なこともいっぱいしていますから。
小沢さんのお酒につきあったりとか(笑)。

観客の方に、かっこいいって言ってもらえたシーンが、現場では、監督にメチャクチャ怒られ、なんとか撮ったりとか、泣きながら撮ったところだったりするわけです。
そこは、見えないわけじゃないですか。

みなさんも見えないところでの苦労があると思うんです。
それでも仕事に誠意を持って取り組んで、お金をもらう。役者も一緒です。

こういう話をすると、大先輩たちに"役者は夢を売る仕事だ"って怒られるんです。
確かに、その理屈はわかるんですけど、でも、ぼくは役者だからといって、特別な仕事だとは思ってないですね。

撮影/弦巻 勝

本宮泰風 もとみや・やすかぜ
1972年2月7日、東京都生まれ。
妻はタレントの松本明子。デビュー作は『シュプールは行方不明』(1994年/NTV系)。映画、テレビで意欲的に活動し、主演する人気Vシリーズ『日本統一』は6作を数える。11月1日公開映画『25NIJYU-GO』にも出演。また、『本宮塾』の代表者として、少年たちの健全な育成を目指し、総合格闘技を指導する。

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