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快眠外来 第4回 「ヤバイ!」ことをして眠ろう


「危ない!」「怖い!」のホルミシス効果

前回、「脳に電流」なんていう、なんともてっとり早い不眠撃退法を教えてくれた脳神経外科医、篠浦伸禎先生。でも治療器の啓蒙・普及は始まったばかり、ということで、いますぐこの恩恵にあずかれない不眠の民のため、眠りの女王ヒサコは、さらにしつこく食い下がってきました。篠浦先生が勧める、次なる不眠解消法は、「ちょっとヤバイことをする」ですって!


篠浦伸禎/しのうら・のぶさだ
1958年生まれ。医学博士。東京大学医学部卒。富士脳障害研究所、東大医学部付属病院、国立国際医療センター、シンシナティ大学分子生物学部留学を経て、2000年より都立駒込病院脳神経外科部長。脳の覚醒下手術でトップクラスの実績を誇る。著著に、『脳にいい5つの習慣』『脳は論語が好きだった』『人に向かわず天に向かえ』『脳と瞑想』など著書多数。


「ヤバイ」って言葉。最近は、「すごい」とか「すばらしい」といった肯定的な意味にも使われているけれど、今回のヤバイは、本来の「危ない」という意味です、念のため。

「私は、空手をやっているんですが、これがかなりヤバイ。ハードなんです。終わると這うようにして稽古場を出てくる。よかった、今日も無事に終わった……と」

空手だなんて、先生、無頼派なんですね! でも、それが、なにか不眠に関係あるんでしょうか?

「油断すると、骨折や肉離れを起こしかねない激しい稽古で……。仲間は2回も骨を折っているんです」

はあ……? それは大変。でも、ですからそれが眠りとどう関係するのでしょうか?

「油断したらケガをする、というストレスで必死になると、脳が活性化して本能も呼び覚まされる。生物としての眠りもスムーズになるのです」

「ストレス」ということなら、みんなすでに仕事や人間関係のストレスで充分必死。ストレスが不眠のもとかもしれないのに、さらにストレスが必要なんですか?

「脳はバランスよく使うことが大事なのです。現代人の多くは、仕事や人間関係で理性的な理屈が先行した左脳優先の使い方をしています。必死といっても、スポーツや遊びなど五感や直感に直接訴えかける右脳的な必死が足りないのです」

先生は、「脳外科手術」で左脳を活発に働かせ、「空手」で右脳を刺激。そうして脳のバランスをとって、安眠につなげているんですね。

「ストレスには、ホルミシス効果もあるんですよ」

ホルミシスって、宇宙の放射線を浴びて帰ってきた宇宙飛行士に、どんなに大きなダメージがあるかと思いきや、むしろ前よりも元気になっていた、というやつですよね?

「そうです。ストレスを受けると活性酸素が出るけれど、それに対抗する抗酸化酵素も出るのです。ホルミシスには反対意見があることも承知していますが、人はストレスがあるからレベルアップしてきた。危機に瀕したとき、そこから逃げてじっと休んで生き延びる方法もあります。それが必要なこともあるでしょう。しかし、逃げの対応しかできなくなると、社会では不利になることが多い。私はストレスを力に変えていく脳の使い方があると思っています。それができれば、おのずと眠りも充実してくるはずです」

脳の仕組み、メカニズムを知る先生の話。まだまだ奥が深そうです。そんな先生の提案する安眠法。「眠れない……」と嘆く前に、自分の好きなスポーツで思いきり体を動かして、「ちょっとヤバイ」感覚、味わってみませんか。

(取材・文/眠りの女王ヒサコ)

快眠外来 第4回 「ヤバイ!」ことをして眠ろう

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